世間では非常識?残念な「鉄道の常識」10選 「100%以上乗るのが当たり前」は変?

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交通機関ではないけれど、映画館もかつては、一部の指定席以外は自由席であったのに、最近の大手シネコンは完全座席指定となっている。世間では、あらかじめ席を決めるというのが常識になりつつあるのだろうか?

同じ鉄道でも大手私鉄の特急列車(通勤型車両を使った運賃のみで乗車できるものをのぞいて)は原則全席指定だから、JRの特急列車の自由席というのは、世間では珍しいもののひとつであろう。最近では、常磐線特急のように指定席が原則の列車も登場している。車掌の精算業務の煩雑さを減らすため、ひょっとしたら自由席は例外的なものとなる日が来るのかもしれない。

バスにもあるのに列車にはない!

7)大きな荷物は自己責任?

海外旅行は長期間にわたることが多いため大きなスーツケースを持ち歩くことが多い。当然それを置く場所はスペースを必要とする。航空機や高速バスであれば、保管場所があるので、そこに荷物を預け、身の回りの小さなバッグだけを座席に持ち込むことになる。ところが列車は、元来そうした乗客を想定していなかったため、巨大なスーツケースの置場に困る状況が日常茶飯事となっている。車両によっては、通路を塞いでしまったり、座席をひとつ占有してしまい、トラブルのもととなることもある。

JR日光線「いろは」の荷物置き場(筆者撮影)

最近になって、東北新幹線や北陸新幹線など座席を2人分荷物置き場に改造した車両が登場したり、JR日光線「いろは」のように荷物置き場の設置をウリにした車両をPRしている事例も出てきた。にもかかわらず、訪日外国人が最も多く利用する東海道新幹線には荷物置き場がない。1列車16編成の定員1323席は、あくまで死守するつもりで、次期新型車両N700Sも同じだ。

逆に言うと、訪日外国人観光客は迷惑だと思っているフシがある。だからこそ、ジャパン・レール・パス利用者には「のぞみ」に乗せないというポリシーも筋が通っている。しかし、そんなことをしていると、そのうち手痛いしっぺ返しを国際的世論から受けるのではないかと心配になってくる。

8)JR各社の違いを世間は知らない

前項でもJR各社によって荷物置き場の対応が異なることを記した。鉄道の事情通なら、JR東日本、JR東海、JR西日本などJR各社によって差異があることは百も承知だ。

しかし、世間や外国人にとって、同じJRと名乗っているのになぜ対応が異なるのか?と不思議に思ったり、まごついたりすることは数多い。東京駅と言ってもJR東日本とJR東海では、対応がまったく同じではない。「エクスプレス予約」についてはJR東海の窓口でしか対応しないとか、慣れない人は困惑するであろう。そんなことあらかじめ調べろ、というのは鉄道ファンや専門家の視点でしかない。

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