駅というのは、ローカル線においても、ある程度の本数の列車が発着してこそ利用価値がある。極端に発着本数が少ないと、乗車したくても列車到着まで何時間も待たなくてはならず、結局他の交通機関に頼らざるをえなくなる。今回は、そうした極端に発着本数の少ない駅を取り上げ、周りの様子などをみてみた。
1日1往復のみの“究極”の駅
[鶴沼、於札内(おさつない)、南下徳富(みなみしもとっぷ)、下徳富]
1日1往復の列車が発着するのみという“究極”の列車本数しかない残念な駅である。札沼線は、札幌市内のいわゆる近郊区間は、新興住宅街や大学が点在する利用者の多い区間で、2012年には北海道医療大学駅までが交流電化された。列車本数も、札幌からあいの里公園駅までは昼間でも1時間に3本、朝夕は4本設定されていて、学園都市線という愛称にふさわしい。
しかし、石狩当別駅から先の区間では列車本数が激減し、石狩月形駅までは1日に下り8本、上り7本、石狩月形駅―浦臼駅は上下6本ずつとなり、最後の浦臼駅―新十津川駅間は、上下1本という最低限の列車しか走っていない。
しかも、下り列車が新十津川駅に到着した32分後には上り列車が発車していくので、新十津川駅周辺に所用で列車に乗っても滞在時間は30分ほどしかない。もはや、日常の鉄道利用者のために列車が走っているとは考えられない状況である。
もっとも、地図をよく見ればわかるように、新十津川駅から浦臼駅にかけては、石狩川の対岸に函館本線が走っている。新十津川駅のすぐ近くの町役場前からJR滝川駅まではバスで15分ほど、1時間に1本は走り便利は悪くない。札幌へ行くのならば、滝川駅まで出れば特急も最低1時間に1本は停車するので、札沼線を利用するまでもない。
浦臼駅からも対岸の奈井江駅へはバスで20分程。このような状況を考慮すると、札沼線末端部は人の流れに合っていないことがわかる。北海道医療大学駅―新十津川駅の廃止もほぼ確定したようで、残念ではあるが受け入れざるをえないようだ。
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