日本海縦貫線の一部である羽越本線は、新潟方面から酒田までは特急列車が7往復あるものの、酒田―秋田間は人の流動が少なく3往復に減ってしまう。普通列車も、時間帯によっては3時間ほど間隔が空くこともあり、北海道方面と西日本を結ぶ貨物列車が走っていなければ完全なローカル線であろう。
中には、普通列車さえ通過してしまう残念な駅がいくつかあり、列車本数で酒田方面が2本しか停車しないのが、県境に近い女鹿駅(山形県)である。集落はやや離れたところにあるためか、通学の高校生以外の利用者は極めて少ない。北海道や非電化のローカル線ばかりにとらわれていると見過ごしてしまう駅である。
中国地方にもある本数が少ない駅
小野田線の支線である雀田―長門本山間は、JR最後の旧型国電が走った路線として有名だった。もともと列車本数は少なかったが、年々本数を減らして、今では朝夕に上下3往復するのみである。過疎地ではなく、周囲は住宅地で学生を中心に利用者はそこそこいるので当分安泰かと思われる。
1日に上下3往復の路線は、宗谷本線の音威子府(おといねっぷ)以北の一部にある普通列車しか停車しない駅など全国にいくつかある。その中で、今回は中国地方の山間部にある駅を挙げておこう。
岡山県から広島県に入ったところにある東城駅と備後落合駅の間にある4駅は上下3往復の列車しか停車しない。この区間は廃止になった三江線よりも乗車人員が少ないとして話題となったことがある。先の豪雨により不通となっているが、2018年9月3日の運転再開を目指すとの発表があり、一安心だ。
備後落合と山陰本線の宍道を結ぶ木次線も、備後落合と出雲横田の間は普通列車が1日3往復しか走らない。もっとも、この区間は観光列車「奥出雲おろち号」が各駅に停車するので、運転日には4往復となる。本数は少ないけれど、3段スイッチバックや延命水で有名な出雲坂根駅など「おろち号」運転日にはにぎわう。豪雨で不通となったが8月8日には運転が再開され、活気を取り戻しつつある。うれしい話だ。
このほか、神戸市内を走る山陽本線の支線である通称「和田岬線」は、朝夕の通勤客輸送に特化した路線であり、平日は17往復あるものの、休日はわずか2往復となってしまう。特異な存在なので、番外として挙げておきたい。
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