パラスポーツ運動会が与えてくれた「気づき」

誰でも参加できる「あすチャレ!運動会」とは

「アイスブレイク」で準備ができた後は、運動会本番の競技が始まる。パラリンピックの競技種目にもなっている「ボッチャ」が行われた。

競技説明と模範を行ったのは、リオデジャネイロ・パラリンピック日本代表で混合団体銀メダルを獲得している廣瀬隆喜。

廣瀬選手(写真中央)と一緒にボッチャを楽しむ西尾レントオールの社員の方々(編集部撮影)

ボッチャ界の第一人者で、同社にアスリート雇用として昨年10月から入社、社員として運動会に参加していた。

競技が始まると、最初は慣れずにいた社員たちも次第にコツを覚え始め、各所で熱戦が展開されて、歓声やため息が起こる。

続いて「ゴールボール」、車いすバスケットをベースにした「車いすポートボール」と続く。最後は、運動会の花形「リレー」。これは車いすを使って行われた。準備や休憩など含めて5時間の運動会。どの社員も楽しそうな表情だったのが印象的だった。

前出の小澤氏に「あすチャレ!運動会」開催の経緯を聞いた。「2015年11月にパラサポのオフィスがオープンした後、パートナー企業からパラリンピックを通じて何かやりたいが、何をやっていいか分からない、という相談が来るようになりました。すでに、小中高生向けには、パラスポーツの体験型授業『あすチャレ!スクール』を全国に展開していたのですが、大人向けにも何かできないかと。パッとひらめいたのが運動会でした」と振り返る。

昔に行っていた「運動会」をパラスポーツで楽しむ

今の企業の大きな課題の1つに「コミュニケーション不足解消」が挙げられる。ネットの時代になり、メールなど「面と向かわない」または「面と向かわなくて済む」コミュニケーションツールが何事にも使われるようになった。確かに、情報共有という意味では便利で必要かもしれないが、顔も見ない、言葉もかわさないという事態にもなっている。

最終種目の車いすリレーはこの日、いちばんの盛り上がりを見せた(編集部撮影)

また、かつては多くの企業が行っていた運動会も、ケガの問題が労災問題にもなるため、次第に減ってきているという。「運動会の種目にパラスポーツを取り入れて、競技内容を工夫することで、その問題も改善できるのではないか」と、パラスポーツでの運動会を提案した。

トライアルを重ね、プログラムを本格スタートさせたのが2017年4月。企業や自治体などから開催申しこみを受け付ける一方、企業間交流にも活用できるようにと2017年夏には16社を集めた「企業対抗運動会」を実施した。これが「企業交流会にもなった」と評判となり、経済同友会なども実施。スポーツ庁からも運動会の補助金の予算が付けられるようになった。

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