「未婚男性は悠々自適」という大いなる誤解

可視化されていない「独身税」の重荷

はっきりと申し上げておくと、いつまでも結婚しない男たちが全員そんな裕福であるはずがないのです。むしろ20~30代の独身男性はほとんどが低収入層で占められています。それは、前回の記事『収入重視女と容姿重視男に未婚が多いワケ』でもご紹介した通りです。平均収入である400万円を超えている単身男性は全国ではたったの25%しかいません。300万未満の収入しかない単身男性だけで全体の過半数を占めます。

そうした独身貴族と言われる人=ソロモンたちの家計の実情はどうなっているでしょうか?

総務省の家計調査は1946年から始まった国の基幹統計のひとつであり(当初は「消費者価格調査」)、消費の実態を把握するのに有効な資料です。ただ、もともとは二人以上の家族世帯単位の調査であり、一人で暮らす単身世帯は対象外でした。国の統計として単身世帯が正式に加えられたのは比較的最近のことで、2002年からです。

しかし、相変わらず国民の消費動向というニュースにおいては、基本的に二人以上世帯、つまり家族のデータだけが使用されます。日本は2015年時点で単身世帯比率は約35%に達しており、もはや決してマイノリティとは言えない規模です。消費力を測る上で単身世帯の動向を無視しては実情とかけ離れてしまいます。総務省では現在、単身世帯に加えて、家族と同居する世帯員の消費動向を把握すべく、家計ではなく「個計化への対応」を検討中のようですが、現状の統計としては家計調査に頼らざるをえません。

家族と単身の消費傾向が異なるのは当然ですが、同じ単身世帯でも男女間ではまた大きく違います。男女合計での見方をしてしまうと平均化されて特徴を見逃す危険があります。さらに、同じ単身世帯でも現役層と高齢者層という年齢でも大きく消費傾向が異なります。今回は、家計の比較に際して、単身世帯は高齢世帯を除き、男女別に勤労者59歳までの人だけを抽出し、二人以上の勤労家族世帯と比較することとします。

単身者の実収入は下落基調

まず、実収入ですが、2007年基準で比較すると、二人以上世帯が全体的にゆるやかに上昇して2017年時点では基準を超えているのに対し、単身世帯は男女とも2009年以降一度も基準を超えたことがありません。全体的に右肩下がり基調です。特に、単身男性は2014年にやや盛り返したものの、また下降して、2016年には10%近くも減少しています。

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