「複数恋愛」を実践する30代女性の生きづらさ 「ポリアモリー」を人に打ち明けるのは難しい

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たった1人の相手しか愛せない人もいる。ただ、同時に複数人を愛せてしまう人もいる(写真:Graphs / PIXTA)
不倫でも浮気でもない。好きな人をひとりに決められない。複数の人と同時に、合意の下で性愛関係を築くライフスタイル「ポリアモリー」に、近年注目が集まっています。
2011年にポリアモリーであることをカミングアウトし、現在も同棲中の彼氏のほかに複数の恋人を持つ、きのコさん。会社員の傍ら、ポリアモリーという生き方について理解してもらうために活動する彼女が「ポリアモリーをカミングアウトすること」について語ります。

私は「自分が複数の人を同時に好きになる人間である」ことを恋人や家族、友人たちにはカミングアウトしていますが、勤め先だけにはポリアモリーであることをほとんどカミングアウトしていません。

昔、入社当時のわたしの教育係として仕事を教えてくれて、大変お世話になっていた先輩との飲みの席で、ポリアモリーについて打ち明けたことがありました。そのときの先輩の「結婚しろ! 子どもをつくれ! そうすればお前は変われる。そんな生活してると、最後には誰もまわりにいなくなってひとりぼっちになるぞ」という言葉は、いまもわたしの心にトゲのように突き刺さっています。

それ以来、会社の人にポリアモリーをカミングアウトすることについては、かなり慎重になりました。とはいえ、今後も長く勤めたいと思っている会社ではあるので、ずっと「クローゼット」(自身の性的指向や性自認をカミングアウトしていない)という状態で働き続けたいとは思っていません。

なかなか理解してくれなかった母親との和解

ポリアモリーであることに限らず、自分自身の大切なアイデンティティについていちばんカミングアウトしたい、けれどいちばんカミングアウトしづらい相手が家族――特に「親」だという話はよく耳にするし、わたし自身もまさにそうでした。

実家暮らしだった学生時代から、恋人以外にも複数の人とデートを重ねていることはあまり隠してはいなかったけれど、そのことと、ポリアモリーであることをカミングアウトすることとはまったく別。

当時、家族からは「きのコは遊び癖がひどくてふらふらしてるけど、まぁ、そうはいっても年ごろになれば落ち着くだろう」と思われていた(らしい)です。当時のわたしはとても「関係者全員の合意の下に複数の人とお付き合いしている」状態ではなく、まさにふらふらしていたとしかいえないのですが……。モノガミー(ポリアモリーの対義語。一人の相手としか交際しない生き方)な妹からは「姉ちゃんは軽過ぎる」と非難されることもしばしばでした。

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