調査期間は4月から6月で、就活の「後半」戦の結果となる(前半の結果はこちら)。あこがれやイメージが先行する前半とは違い、業界研究や会社説明会、面接などを経て、より現実的な企業を見るようになる。そのトップ300社を掲載したので、前半との順位の違いを中心に、傾向を見ていこう。
1位は全日本空輸(ANA)、2位は日本航空(JAL)。前半と変わらず、エアライン2社がワンツーを維持する結果となった。属性別で見ても、女性別と文系別の順位の変動はなかった。むしろ、ANAは理系が前半5位から後半3位に、JALも男子が前半11位から2位、理系が7位から5位と順位が上がっており、より人気が集中する傾向になっている。
3位は明治グループ(明治・Meiji Seika ファルマ)で、前半の7位から順位をアップさせた。男子の順位が前半(31位)から伸びており、食品から医薬品といった幅広い事業領域や海外も見据えた将来の展望が、男子就活生には魅力的に映ったのかもしれない。
人気度の浮沈が注目されている金融では、ベスト10に4社が残った。30位までに入った金融各社のうち、4位の大和証券グループ以外は順位を下げている。メガバンクをはじめ、金融各社が採用数の削減を打ち出しているが、そうした情報が就活後半に広まり、就活生の「銀行離れ、金融離れ」がランクダウンという形で表面化したものと思われる。
総合商社や食品、ホテルが前半から人気上昇
一方、前半から順位をあげた代表例は、5位の東日本旅客鉄道(JR東日本)だ。男子では前半の14位から1位に躍り出た。羽田アクセス線構想や品川の再開発など大型案件が多く、そうした会社の取り組みが就活を通して浸透したのかもしれない。
9位のオリエンタルランドも、前半の20位から順位をあげた。特に女子が前半8位から4位になっている。エンターテインメント系は就活生に注目されている業界の1つだが、東京ディズニーリゾート(TDR)の大規模拡張構想が学生にも認知され、人気度を高めたかもしれない。
それ以外のトップ10は、6位JTBグループ(前半8位)、7位三菱UFJ銀行(前半6位)、8位日本生命保険(4位)、10位みずほフィナンシャルグループ(同3位)となっている。
業界別では総合商社のランクアップが際立つ。伊藤忠商事が前半19位から12位、三井物産が67位から14位、三菱商事が70位から20位、住友商事が99位から38位へと、それぞれ順位を上げている。総合商社の仕事の魅力について、就活を通して理解したのだろう。その他食品やホテル、IT系企業の順位の上昇が目立つ。
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