今年もオールスターで「全パ」が連勝した意味 都市対抗野球が盛り上がる時期にもなった

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私はどうしてもプロ野球選手になりたかった。本当はオリックスに入りたかったけれど、ここでオリックスに固執しすぎて、みすみすプロ入りのチャンスを逃すのは、本質的には本意ではありません。たとえば1年待って、来年のオリックスからの指名を待つという方法も、なくはない。

しかし“結果がすべて”のこの世界で、浪人中にケガをしてしまえば、そこでプロへの道は完全に閉ざされるのです。

繰り返しますが、あこがれはありました。ですが、この“待ち”の間「たとえオリックスでなくても、指名をしてくれたところに行こう」と腹をくくりました。必要としてくれたところで最大限の結果を出そう、と。

そして迎えたドラフト会議当日。やはり、オリックスよりも早い指名順を持っていた近鉄に3位で指名されます。

指名を受けたそのとき、私は会社で仕事をしていました。会社にはすでに速報を上げるために新聞記者さんなど報道関係者も来てくださっていましたが、その私を含む一同をあっと驚かせるサプライズが起こったのです。

「近鉄の礒部」が始まった日

通常ではドラフト順位上位指名順で指名あいさつに行く、というのが常識ですが、近鉄球団から会社に、ドラフト会議終了後すぐに、あいさつに行くと連絡が入りました。

1位指名よりも先に3位指名であった私のところに来てくださるということも非常に光栄でしたが、何よりも驚いたのがその交通手段です。なんと、ヘリコプター!!

降りて来られたのは当時「ヨッシャ〜!」で有名だった佐々木恭介監督と、担当スカウトの方でした。

もともとお受けするつもりでしたが、そのとき佐々木監督からさらに熱心に口説いていただいたこと、また、なによりもヘリまで使って駆けつけてくれたという粋な演出。これで私の心は「どの球団でもいい」から「この球団だから頑張ろう!」に入れ替わりました。

単純ですか? いえ、こんなうれしいことはないですよ! 人は、礼を尽くされたら礼で返そうと思うもの。ここから、「近鉄の礒部」の歴史が始まりました。続きは次回にご期待ください。

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