ダメな企画書を作る人に足りない視点と習慣 「5W2Hプラス」でアイデアを練るのがコツ

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<例文A 小型化のアイデアでつくった企画>
新商品企画
(WHAT)テーマ 小さいサイズのインスタントコーヒーをつくる
(WHY)ねらい 「レギュラーサイズでは持て余す」という声が、(WHO)単身世帯、高齢者世帯に多い。
そこで(HOW)小型サイズのパッケージを開発し、(WHEN)新商品発売シーズンに(WHERE)既存市場へ投入して(効果)消費者の好みに応じた商品のバリエーションを展開する。
(HOW MUCH)販売価格は〇〇円

小型化というアイデアからでは、導き出す諸条件があいまいです。そのため企画としても弱さが残ります。

(WHO)単身者や高齢者世帯では、(WHY)レギュラーサイズは持て余すという点は明確なので、ここを中心に再度アイデアを点検し、企画を練り直します。「単身者・高齢者が持て余さない」とは、具体的には「1回で飲み切れる量」ですから、企画書の文章は次のように改まります。

5W2Hプラスで点検する

<例文B 練り直した企画>
(WHAT)テーマ 1回で使い切れる量のインスタントコーヒーをつくる
(WHY)ねらい 「レギュラーサイズでは持て余す」という声が(WHO)単身世帯、高齢者世帯に多い。(HOW)1回で飲み切れる量の「飲み切りサイズ」のパッケージを開発し、単身者、高齢者の利用頻度の高い(WHERE)中堅スーパーやコンビニで展開する。
(効果)これまで空白だった単身世帯、高齢者世帯のニーズを取り込み、付加価値の低いファミリー向けの特売商品頼みから、高付加価値体制にシフトチェンジを図る。(WHEN)新商品の市場投入は競合他社に先んずること。(HOW MUCH)販売価格は〇〇円

単身世帯、高齢者世帯のレギュラーサイズでは持て余すという問題を解消するというねらいを深掘りすれば、単なる小型化というあいまいさが消え、商品コンセプトが決定します。

また単身者、高齢者が利用するのは、郊外の大型量販店ではなく、住まいの近くの中型スーパーやコンビニとなるため、ここが新商品の投入先です。

5W2Hプラスで点検することで、アイデアが具体的でシャープなものとなるのです。

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アルファポリスビジネス編集部

アルファポリスはエンターテインメントコンテンツのポータルサイト。小説、漫画、書籍情報などを無料で配信。最近はビジネス系の記事にも力を入れている。

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