W杯記者が口々に「ロシアは最高」と言うワケ

ロシアについての先入観は忘れよう

 7月4日、荷造りが慌ただしく、しかもロシアについて無知だったために、危うく妻のアドバイスに従うところだった。写真はモスクワのスパルタク・スタジアムで2日、本番に備えるテレビ番組の関係者(2018年 ロイター/Kai Pfaffenbach)

[ニジニ・ノブゴロド(ロシア) 4日 ロイター] - 荷造りが慌ただしく、しかもロシアについて無知だったために、危うく妻のアドバイスに従うところだった。ロイターの記者としてベネズエラを出発してワールドカップ(W杯)取材に向かう際に、毛糸の帽子を荷物に入れようとしたのだ。

その帽子を持ってこなくて幸いだった。カリブ海に面したベネズエラよりも夏の気温が高いボルガ川沿いでは、さぞかし間抜けなことになっただろう。

W杯開催国ロシアについて、「冷涼な気候と冷淡な国民」というお決まりのイメージを抱いていた筆者や、同じように、これまでロシアを訪れた経験のなかった多くのファンが抱いていた誤解は、これだけにとどまらなかった。

盛り上がることが好きな人たち

私たちは一様に、自分たちが目にしたロシアの姿に喜び、啓発され、少なからず自分を恥ずかしく思った。彼らは世話好きで、秩序正しく、近代的で、私たちを助けようと懸命で、盛り上がることが好きな人たちだった。

今回取材を担当したのはニジニ・ノブゴロドだ。旧ソ連時代に「閉鎖都市」だったことは事前に読んで知っていた。それは、自分がまだ子どもだった冷戦時代に、英メディア報道の中心を占めていた高層アパートと食糧を買い求める人たちの行列という灰色のイメージを思い起こさせた。

ただ、過去はどうであれ、ボルガ川とオカ川の合流点に位置し、120万人の住民が暮らすニジニ・ノブゴロド市は、いまや開放的で素晴らしい街だ。

空港からスタジアム、ホテル、公共広場に至るまで、地元の語学学校に通うボランティアの若者たちが、その英語力を発揮して、私たちが旅行会話帳を頼りに、たどたどしく「スパシーバ(ありがとう)」や「ズドラーストヴィチェ(こんにちは)」と口にする手間を省いてくれる。

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