日本企業をとことんダメにした「PL脳」の呪縛

「ファイナンス思考」なくして復活はない

PLの例(出所:『ファイナンス思考』)

「PL脳」とは、「売上高や利益といった損益計算書(以下、「PL」)上の指標を、目先で最大化することを目的視する思考態度」のことです。

四半期、あるいは1年という期間で会社がどれだけのお金を稼いだのかを示すPLの数字は、誰にとっても直感的にわかりやすいという利点があります。同じ会社の前期の業績と比較して、売上高や利益の増減から会社の成長度合いを測ったり、同業他社の数値と照らし合わせてその会社の稼ぐ力を比較したりするために、しばしばPLは活用されています。また、社内の管理指標や事業部単位での目標数値としても、多くの会社が売上高や利益といった損益計算書上の数値を活用しています。

PLは「結果」を示しているにすぎない

一方で、損益計算書の内容はあくまで、過去の一定期間における業績の「結果」を示しているにすぎません。一定期間の売上高や利益といった損益計算書上の数値を最大化しようとする取り組みは、必ずしも会社の長期的な成長につながるとは限りません。

たとえば会社の製品開発を強化するための研究開発投資や、商品の宣伝や企業ブランドの浸透にかけるマーケティング投資を抑えると、短期的には利益を底上げできます。しかし、長期的な競争力向上に必要な投資を手控えることで、場合によっては会社の根源的な価値を損なう事態につながりかねません。

基本的な会計に関する知識は広がってきた一方で、このようなPL指標の最大化を優先する考え方が日本の経済界に根深く浸透しているために、多くの日本企業が思い切った一手を打てず、縮小均衡の衰退サイクルに入ってしまっている、と私は考えています。

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