日本人の4割が抱える「睡眠負債」の深刻度

最速で解消!今日からできる3つのこと

睡眠負債は、重大なミスも引き起こします。

アメリカでは、自動車の交通事故と睡眠の関係が研究されています。交通安全を推進するアメリカの非営利団体(AAA Foundation for Traffic Safety)の2016年の報告によれば、過去24時間で7時間以上の睡眠をとっていたドライバーの事故確率を1とすると、6時間~6時間59分の睡眠時間で1.3倍、4時間未満の睡眠時間では11.5倍にまでなると推定されています。

睡眠負債は、交通事故をはじめ、仕事や日常生活の中で重大な人為ミスを引き起こす大きな要因でもあるということです。

ではなぜ、睡眠負債はこうした人為ミスなどを引き起こすのでしょうか。それは、睡眠負債が脳の働きを低下させるからです。

脳の前頭連合野は特に睡眠負債の影響を受けやすい領域です。前頭連合野は、適切な判断をし、意思を決定する「認知・実行機能」、不必要な行動の「抑制機能」、そのほかにも「意欲コントロール機能」や「情緒安定機能」など多くの働きを担っています。

睡眠負債で前頭連合野がうまく働かないと、集中力や記憶力、思考力、モチベーションなどの低下をもたらしてしまい、仕事上のミスが増加してしまうのです。

間違いだらけの快眠法

では、睡眠負債を解消するには、どうしたらいいのでしょうか。気をつけてほしいのは、誤った方法に踊らされないことです。

実は、ちまたに出ている情報には、間違いやウソがかなりあります。たとえば、睡眠と食事の関係。インターネット等では、「寝る前に温めた牛乳を飲むとよく眠れる」「レタスを食べるとよく眠れる」といった情報が流れていますが、結論から言ってしまうと、これはウソです。

現在までに科学的に証明されている睡眠改善効果のある単一の栄養素としては、アミノ酸のひとつであるトリプトファン、グリシン、テアニンと、その他にメラトニンなどがあります。

これらの栄養素を摂取する場合、睡眠改善効果がはっきりとみられる量は、トリプトファンとグリシンが3g以上、テアニンは200mg程度、メラトニンは30mg程度。いずれもタンパク質などに組み込まれていないフリーの状態のものを一度に摂取することが必要です。

確かにトリプトファンは乳製品に多く含まれるため、寝る前に牛乳を飲むことは一見、理にかなっているように思えます。しかし、3gのフリーのトリプトファンを摂取するためには、実はドラム缶半分程度の濃いめの牛乳を一度に飲まなければなりません。

メラトニンはケールやレタスに多く含まれているものの、30mgを食べるためには約70kg、数で示すと450玉以上を一度に食べなければならず、現実的ではありません。

テアニンは茶葉に多く含まれていますが、茶葉には覚醒作用の強いカフェインも多く含まれています。緑茶や紅茶を飲んでテアニンを摂取したつもりでいても、カフェインの効果で逆に目が冴えて眠れないことになってしまうということです。

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