茨城県が5年連続「魅力度全国最下位」の理由 農業全国2位、世界有数の科学技術もあるのに

✎ 1〜 ✎ 100 ✎ 101 ✎ 102 ✎ 最新
拡大
縮小
実は茨城県民は神奈川県民よりもリッチ。県には世界クラスの科学技術も。それでも5年連続で魅力度最下位なのはなぜ?(写真はつくば市のJAXA:うっちー/PIXTA)

読者の皆さんはご自分の住まいや故郷の「ブランド力」にどの程度関心をお持ちでしょうか。ブランド総合研究所の「地域ブランド調査2017」によれば、78の調査項目のなかで最もメディアに注目されている「都道府県・魅力度ランキング」では、北海道が9年連続の1位に輝いています。

なぜ茨城県が魅力度で「5年連続最下位」なのか

一方で、不名誉にも茨城県は5年連続の最下位となっています。テレビやインターネットなどのメディアは「結果のみを伝えておしまい」という報道をしているため、「このランキングが本当は何を意味しているものなのか」、きっと知らない方も多いことでしょう。

この連載の記事はこちら

たとえば、皆さんがインターネットで無作為に抽出されて、「○○県は魅力がありますか?」という質問があったときに、まず真っ先に何を思い浮かべるでしょうか。

おそらく、大多数の人たちは「突出した観光地がある」とか、「有名な名産品である」などを想起するのではないでしょうか。あるいは、北海道の大自然、京都の歴史・文化、沖縄のきれいな海といった、もっとざっくりとした印象を思い起こすのではないでしょうか。要するに、魅力度とは「観光地として魅力があるかどうか」ということに尽きるのです。

最下位の茨城県にとって2017年という年は、茨城県北部がNHKの朝ドラ「ひよっこ」の舞台になったのに加えて、大相撲では19年ぶりの日本人横綱となった稀勢の里、続いて大関になった高安と、茨城県出身の力士の活躍が取りざたされました。それらが、ランキングにまったく影響しなかったのは当然のことといえるでしょう。「○○県の魅力度」と聞かれて、ドラマや有名人をイメージする人はまったくといっていいほどいないからです。

次ページ茨城だけでなく栃木も群馬も「イメージが湧きにくい」?
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT