読者の皆さんはご自分の住まいや故郷の「ブランド力」にどの程度関心をお持ちでしょうか。ブランド総合研究所の「地域ブランド調査2017」によれば、78の調査項目のなかで最もメディアに注目されている「都道府県・魅力度ランキング」では、北海道が9年連続の1位に輝いています。
なぜ茨城県が魅力度で「5年連続最下位」なのか
一方で、不名誉にも茨城県は5年連続の最下位となっています。テレビやインターネットなどのメディアは「結果のみを伝えておしまい」という報道をしているため、「このランキングが本当は何を意味しているものなのか」、きっと知らない方も多いことでしょう。
たとえば、皆さんがインターネットで無作為に抽出されて、「○○県は魅力がありますか?」という質問があったときに、まず真っ先に何を思い浮かべるでしょうか。
おそらく、大多数の人たちは「突出した観光地がある」とか、「有名な名産品である」などを想起するのではないでしょうか。あるいは、北海道の大自然、京都の歴史・文化、沖縄のきれいな海といった、もっとざっくりとした印象を思い起こすのではないでしょうか。要するに、魅力度とは「観光地として魅力があるかどうか」ということに尽きるのです。
最下位の茨城県にとって2017年という年は、茨城県北部がNHKの朝ドラ「ひよっこ」の舞台になったのに加えて、大相撲では19年ぶりの日本人横綱となった稀勢の里、続いて大関になった高安と、茨城県出身の力士の活躍が取りざたされました。それらが、ランキングにまったく影響しなかったのは当然のことといえるでしょう。「○○県の魅力度」と聞かれて、ドラマや有名人をイメージする人はまったくといっていいほどいないからです。
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