ブランド総合研究所の田中章雄代表にこの疑問について率直に聞いたところ、「自治体の方針がマイナスを少なくして平均的なところを増やしていこうというのであれば、それはそれでいいのではないかと思う。ただその一方で、ブランドを上げようとすればそういった方針ではいけない。その地域に行きたい、その地域の商品を買いたい、という強い願望を持たれている地域はブランド力が高いと考えられるので、他の自治体より上にいかなければブランドとなりえないからだ」という回答をいただきました。
いずれにしても、北関東は経済的に豊かな地域であるうえに、保守的で控えめな地域性があるために、おのおのの県民はあまり地元のアピールや自慢をしない傾向が強く、ランキングの結果も一部の人々を除いてあまり気にしていないようです。茨城県に魅力度ランキングについて何か対策を講じているのか聞いたところ、「結果は真摯に受け止めるが、このランキングを上げるためだけの戦略やPR活動を特にするということは考えていない」という回答を得ています。
茨城県は明らかに「過小評価」
私が茨城県に住んでいて常々思うのは、農業産出額が北海道に次ぐ全国2位という規模だけでなく、おいしい食材にあふれているということです。ところが不思議と、茨城県民には普段からおいしいものを食べているという自覚がなく、当たり前のように思っています。さらには、日本で2016年に開催されたG7では、茨城県南部のつくば市で科学技術大臣会議が行われているように、つくば市は科学技術では「全国一」あるいは「アジア一」のポテンシャルを持っていると言っても過言ではありません。
ブランド総合研究所の田中代表も「つくば市は全国の市町村のなかで技術のイメージでは日本一。その強いイメージがあるのだから、茨城県のイメージを上げるためにはそれを活用しない手はない」と指摘していましたが、私もつくば市と他の市町村がうまく連携できるようになれば、県全体のイメージは大いに上がるだろうと考えております。魅力度ランキングを上げるためだけの広報活動はする必要ないとしても、「農業」と「科学」の分野で全国の人々に茨城県の魅力を十分に伝えきれていないのは、やはり歯がゆい思いがしています。
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