10代にピンと来ないフィルム時代の撮影事情

デジカメ移行の過渡期をカメラマンが語る

「例えば、以前は現場での撮影が済めばその日の仕事は終わりでしたが、現在はデータのバックアップを取ったり、写真のレタッチをしたりと、撮影後の仕事が増えています。逆に、ネットを介して写真を納品できるようになり、あがったフィルムを編集部まで持っていく必要がなくなったのは、デジタルの利点ですね」

ポラロイドカメラがプレビュー代わり

その場で画像を見られる今と違い、フィルムカメラの時代は撮影を終えたフィルムを現像所に持っていく必要がありました。フィルムは現像されると、サムネイル状に写し出された状態であがってきます。

主に情報誌や広告をフィールドに、人物やグルメなどの撮影を得意とする岡村さん。編集プロダクション、出版社勤務を経て、1999年からフリーランスのカメラマンに(写真:news Hack by Yahoo!ニュース)

「フィルムがあがってきたらライトボックスに乗せ、ルーペを使って細部のピントをチェックします。当時はその場で仕上がりが確認できないので、同じカットでも露出設定をプラスやマイナスに段階的に変えて、何枚も撮るのが当たり前でした。そしてフィルムに文字が書けるマーカーを使って、適正なカットに印を入れるところまでが1セットの作業です」

デジカメの場合は、ピントの甘いものや露出が適正でないものは削除して納品しますが、フィルム時代はすべてのカットがひとつづりなので、プロの目である程度のセレクトをして納品するわけです。

当時使っていたという中判カメラ用の120フィルム(写真:news Hack by Yahoo!ニュース)

現像するまで写真が見られないのは、デジタル時代との大きな違い。本当に狙った通りのカットが撮れているのか、「特に駆け出しの頃は、気が気ではなかったですね」と岡村さんは語ります。

「当時は、実際に撮影をする前に、ポラロイドカメラで試し撮りをするのが一般的でした。その場で見られるポラロイド写真で、露出のめどをつけるためです。ちなみに、テレビ誌で芸能人の撮影をしていた頃は、そのポラロイド写真にサインを入れてもらい、読者プレゼントにするケースも多かったですね」

カメラマンの中でも、比較的早い時期にデジタルに対応したという岡村さん。フィルムからデジタルへの移行期間は、依頼の受け方も今とは少し違っていたのだそう。

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