「一燈」のラーメンが圧倒的に評価される理由 食べログ評価1位、4点超えを支える仕掛け

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坂本さんの実家は八百屋を営んでいた。両親の帰りが遅いこともあって、祖母が毎日ご飯を作ってくれたという。ある日、友達の家に遊びに行った時、そこでお母さんがご飯を振る舞ってくれた。それが本当においしく、それがきっかけで料理に興味を持ち始め、小学校高学年の頃から家でご飯を作るようになった。

仕事の原点

「親がとても喜んでおいしそうに食べてくれたんです。“自分が作ったものを食べて喜んでもらいたい”これが自分の仕事の原点になったんです」(坂本店主)

食べログの賞状が並ぶ(筆者撮影)

高校生の頃に飲食店でアルバイトを始め、卒業して選んだのはフレンチの道だった。華やかなところで料理の腕を磨きたいという思いがあったのである。4年半~5年ぐらいやって、独立を試みるが、資金難でうまくいかず断念。そこからしばらく坂本さんは職を転々とする。その頃から少しずつラーメンに興味を持ち始める。

もともとラーメンは好きで食べていたが、30歳の頃に1年だけラーメン店でアルバイトをした。その後、ラーメンで独立しようとしたがまたも資金不足で断念。再び職を転々とすることになる。

何となくラーメン店での独立を考えながら過ごす日々。その頃好きでよく食べに行っていた「麺屋 青山」(千葉・成田)に修業に行こうと決心する。

丁寧に水で締めた太麺が濃厚なスープによく絡む(筆者撮影)

すると、「麺屋 青山」の青山英昭店主の修業先である「麺屋こうじ」のグループに“独立支援システム”があることを知る。資金も厳しかったし、この道しかないと思い、39歳で「麺屋こうじ」田代浩二店主の門を叩く。「中華蕎麦 とみ田」「麺処 ほん田」など日本を代表する名店を数々輩出しているグループだ。

「麺屋こうじ」では社員→店長→新店の立ち上げと徐々に段階を踏んでいって、認めてもらえると独立できるというシステムだった。ここで3年間死に物狂いに働き、2010年6月、新小岩に「麺屋 一燈」をオープンした。42歳の時だった。

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