毎日10分の「たばこ休憩」は法律的にアリか 大阪府職員に訓告、処分は適切だったのか?

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――今回のケースに当てはめるとどうなりますか?

報道によると、規制に違反して、職員は労働時間中のたばこ休憩をとっていますので、これは「職務専念義務違反」になると考えられます。

一方、喫煙が規制されていない会社であれば、同義務違反になるのは、離席時間・頻度、同僚の状況、事前の指導状況等に照らし、相当な範囲を超えるたばこ休憩をとった場合に限られると考えられます。

今回の処分の妥当性はどうか

――処分の重さはどうでしょうか?

職務専念義務に反するとしても、処分が相当なものでなければ、無効となります。

今回のケースでは、最終的に当該職員は依願退職したようですが、大阪府が下したのは、制裁としての懲戒処分ではなく、服務上の措置である訓告処分にとどまりますので、これが重すぎて無効とされることはないと考えられます。

仮に、懲戒処分がなされたのであれば、当該処分が重過ぎて無効となる可能性もあります。

――たばこ休憩について労働者が注意すべき点は?

喫煙についての考え方は、ここ数十年で大きく変わっており、従来の慣行に従って行動した場合、予想外の不利益処分を受ける危険があります。

たばこ休憩をとるのであれば、その可否についてはもちろんのこと、仮に許容されるとしても、許される離席時間や頻度はどの程度かを事前に会社に確認しておくことが望ましいと言えます。

平岡 広輔(ひらおか・こうすけ)弁護士
平成22年弁護士登録。訴訟、労働審判、調停、あっせん手続き、示談交渉等、労働事件の取扱多数。著作は、『労働契約の終了をめぐる判例考察』(三協法規出版、共著)。平成28年から、公益財団法人暴力団追放都民センター相談員。
事務所名:土屋総合法律事務所

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