吉田麻也の「おっさんと若手」をつなぐ統率力

セネガル戦でマネ封じに一役買った29歳DF

実際、マネは試合終了後に「お前がスライディングしてきたからケガしたじゃないか」と不満をぶつけてきたという。「こっちが先にボールに触わっただろう」と言い返して黙らせたところを見れば、明らかに吉田の方が優位に立っていたことが分かる。この巧みな駆け引きが、主導権を最後まで完全に渡すことなく戦えた一因ではないだろうか。

そのうえで、大迫勇也(ドイツ1部・ブレーメン)や乾が続けざまに巡ってきた決定機を決め、追加点を与えなければ、日本は理想的な試合運びで勝ち点3を手にしていただろう。けれども、伏兵・ワゲ(ベルギー1部=オイペン)に2点目を奪われ、再びビハインドを背負うことになった。

同点ゴールを決めた本田圭佑(右)(写真:ロイター)

この時、マネは開始時の左サイドに戻っていて、彼自体にやられたわけではなかった。が、ニアンやワゲのゴール前への侵入を防げなかったのは致命傷と言わざるを得ない。これには吉田も悔しさをにじませるしかなかった。

「2失点目は防げたんじゃないかと思う。このレベルに来れば、ちっちゃな差が勝敗を分ける。細かいところにこだわっていかないといけない」と守備の大黒柱は自戒を込めて語り、ここから今一度、DF陣の気を引き締めた。

「おっさん世代」と「若手」をつなぐ重責

最終的にはこの後、ピッチに送り出された本田圭佑(メキシコ1部=パチューカ)のワールドカップ3大会連続ゴールが飛び出し、日本は2-2に持ち込むことができたが、やはりこの日は吉田のインテリジェンスと統率力が大いに光ったと言っていい。

ワールドカップ3大会連続ゴールを決めゴールパフォーマンスを見せた本田(右)と、岡崎(左)(写真:ロイター)

ここ2試合の日本は35歳の川島、34歳の長谷部誠(ドイツ1部=フランクフルト)、31歳の長友佑都(トルコ1部=ガラタサライ)ら2010年南アフリカワールドカップ経験者がスタートから出てチームを引っ張り、本田と岡崎慎司(イングランド1部=レスター)の32歳コンビがクローザーとして出てきて効果的な仕事をするという構図になっている。

もちろん柴崎や昌子ら20代半ばのメンバーも奮闘しているが、いわゆる「おっさん世代」と「若手」をつなぐ重責を果たしているのが29歳の吉田なのだ。

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