円盤に愛された28歳日本代表女子の負けん気 アルティメットは単なるフリスビーにあらず

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「前の所属チーム(セブンカラーズ)では、キャプテンを務めさせてもらい、そこでアルティメットに対する意識が大きく変わりました」

セブンカラーズでの活躍が認められ、田村は日本代表に駆け上がった。そして、2016年、ロンドンで行われた世界選手権に出場し4位に。優勝を目指していたため、決して満足のいく結果ではなかった。そこで感じた世界との差。

巧みな技術でディスクを投げる田村選手(筆者撮影)

「事前のスカウティングでは、外国人は技術が荒く、日本の特徴を出せば勝てると考えていました。

でも、実際は違った。

ほかの国は大きく進化していました。

私も決して若手ではなかったんですが、初めての世界大会で技術もフィジカルも圧倒されてしまい、なにもできないまま終わってしまった大会でした」

マイナースポーツという環境下で、田村が目指すもの

現在、田村は都内の会社で、会社員として働いている。朝9時に出社して営業事務をこなし、外回りもする。出張だってある。仕事を終えて帰宅してから自主トレーニングをする毎日。アマチュアスポーツであるがゆえに、競技だけに専念できない環境下ではあるが、与えられた環境の中で、競技に真摯に向き合おうと努力する日々を、充実した表情でこう語る。

「会社の方も、私が競技に取り組んでいることに理解を示してくれています。ほかのスポーツと比べても、決して恵まれているわけではないかもしれないけど、アルティメットが好きだから、頑張って競技を続けていきたいし、多くの方に知ってもらいたい」

プロスポーツに比べれば、決して恵まれた環境とは言えないが、それでも泣き言を言わない底抜けの明るさがあるのもまた、彼女の魅力だ。

次ページあこがれはジャッキー・チェン
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事