やはり、これからは宏美さんが家計の主導権を握り、家計の立て直しをして行くべきでしょう。ちょうどボーナス時期ですので、まずはボーナスをクレジットカードでの引き落とし分に当てて、口座のマイナスを解消してください。
ご主人のお小遣いは減らすべきでしょうか? 現状の5万円は維持します。しかし浪費癖は難病です。ご主人が消費者金融などで借り入れをしないように、「現実」をよく理解してもらう必要があります。
きついことですが、「今後の家計の立て直しに協力できないなら、離婚も致し方ない」とはっきり伝えるのが良いでしょう。一番下の子どもさんも後2年で社会人ですし、離婚をして本当に困るのはご主人のほうです。今の住まいであるご実家は、宏美さんがいずれは相続する財産ですので、ご主人は住まいをなくします。また、宏美さんは、第3号被保険者であるため、婚姻期間中のご主人の老齢厚生年金の2分の1を受け取ることができます。ご主人は、自分の老齢基礎年金と老齢厚生年金の半分の約10万6000円で生活していかなければならなくなります。ご主人としても避けたい現実のはずです。
妻も収入増を目指し、必要貯蓄率に近づける
ともかく、できるだけ貯蓄を増やすことが重要です。夫の給料の管理の次は、宏美さんが収入を増やすことを考えましょう。現在、夫の被扶養者となっていますが、週30時間以上(従業員501人以上の企業は週20時間以上)、収入160万円を目指して働きましょう。年130万円を超えると社会保険料を自分で支払う事になりますので手取りが減ります。その手取りの回復は153万円です。160万円稼げば、現在より年間4万5000円ほど増えます。たった4万5000円かとお思いでしょうが、10年間働くことにより、厚生年金は年間で8万8000円増えるのです。
これらを「人生設計の基本公式」に入れて、再度「必要貯蓄率」を計算してみましょう。パートの手取り収入は、10年間で約1200万円として「現在資産額」に加算します(Aは1300万円になる)。「年金額」は、宏美さんの老齢厚生年金8万8000円を加算します(Pは262万円になる)。
すると、「必要貯蓄率」は、22.38%となり、老後の生活費は27万2000円になります。持ち家ですし、子どもたちも成人していますので、老後の生活費率を現在の6割に下げた場合は、「必要貯蓄率」は12.68%になります。今後、宏美さんのパート収入全額と、夫の給料の12.7%を貯蓄して行けば、老後は26万2000円で生活することが可能です。
いかがでしょうか。今後7年間が勝負です。ぜひ、しっかり話し合いをして、この貯蓄率を守ってください。難しい金額ではないはずですが、これを守れるか守れないかは、ご主人の改心と自覚なしには成立しません。老後の安心のために、現実を受け入れていただければと願っています。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら