子どもの「本当の才能」を"観察"しない親たち 「好き」や「得意」の延長に"才能"はあるか

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おそらく、松本さんはつねに、子どもに“何かしよう”としているんですね。その気持ちはよくわかりますが、子どもから見たら、大きなお世話で、親が言えばいうほど、子どもの行動はその逆に向かいます。それが今の状態を作り出しています。

“本当の”才能を見つけ、伸ばしていくということ

しかし、これだけでは、あまりにも無責任な回答になってしまいますし、松本さんも納得できないかもしれません。そこで、今回、親がやれる「最も重要なこと」についてお話します。おそらくこれまで書いてきた記事の中で最重要なことの1つになります。

それは「子どもの“本当の”才能を見つけ、伸ばしていくこと」です。

私は講演会や、少人数で実施する相談会(ママカフェ)で子育て中の親御さんたちによく次のようなことをお伝えしています。

20世紀型のキーワード:気合い・根性・努力

21世紀型のキーワード=ワクワク・ドキドキ・楽しい

気合いや根性でなんとかなるほど、勉強も仕事も単純ではなくなっていることは、多くの方がお気づきかと思います。スマートフォンやAIの登場など、世界は劇的に変化しており、単純な努力が通用しにくい世の中に変化しています。こうした時代を生き抜くためには、個々人の「ワクワク・ドキドキ・楽しい」の中から本人の特性、才能を見つけ、伸ばしていくことが、ますます重要なスキルになっていきます。

では、才能はどうやって見つければいいでしょうか。意外に、あまり語られることはありません。ですから、表面的な「好きなこと」「得意なこと」が才能であると勘違いしてしまうのです。

たとえば、野球が大好きでれば野球の道でいくとか、ピアノが好きだから音楽家になるという単純な発想になってしまうのはこういうことなのです。

もちろん、プロ野球選手になる子もいれば、一流の演奏家になる子もいます。しかし、そう単純に進まないことのほうが圧倒的に多いことは事実です。

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