「恋愛経験ナシ」45歳女性が選んだ意外な相手 なぜ理想とは違う男性と結婚するのか?

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ところが、そのデートを終えた後に、久保田から1泊2日の旅行に誘われた。相談所の規約から言えば、旅行でもしも男女の関係になったら、それは成婚とみなされる。「どうしたらいいでしょうか?」と由美香に相談されたので、彼女には、こうアドバイスした。

「旅行に行くなら、その前に真剣交際に入る意思があるかを確認しましょう。お相手の男性にその意思があって、このまま結婚に向かえるなら、旅行に行ってもいいんじゃない?」

相手相談室に連絡をし、仲人から久保田にその旨を告げてもらうと、その夜由美香にメールが来た。

「飼っている老犬ががんでとても調子が悪くなったから、旅行は延期したい」

そのメールを境に連絡が来なくなった。由美香もあえてメールを入れずに放っておくと、1カ月後に“交際終了”が来た。由美香はこの状況を冷静に分析してこう言った。

「久保田さんは、結婚相手が欲しいのではなく、楽しくお付き合いできる恋人が欲しかったのでしょうね。私は、結婚相手を探すためにここにいる。彼の意思確認ができてよかった」

久保田から断られたことがさしてショックではなかったのは、旅行を延期された直後に泰雄から申し込まれ、見合いをして、その後に交際に入っていたからだ。

「久保田さんは一度、デートの帰りに私を家に車で送ってくれたことがあったけれど、『遠いな』を連発していたんです。でも、泰雄さんは、3時間の道のりを『遠い』と言ったことが一度もなかった。そこにも優しさと律儀さを感じました」

こうして泰雄とは、3カ月の交際を経て、結婚を決めた。

母に報告すると…

結婚することを母に報告すると、こんなことを言われたという。

「今はいい人かもしれないけど、結婚したら男は変わるよ。籍を入れたらこっちのもんだ、ってね。ま、それは結婚してみないとわからないけどね」

そんな母に、由美香は言った。

「結婚してみないとわからないなら、結婚するしかないじゃない(笑)」

この一連の話をしてくれた後に、由美香は私に言った。

「母は、25歳の若さで一回り年上の2人の小学生の男の子のいる父のところに嫁いだ。職人気質の父は頑固者だったし、いきなり2人の母親になって大変だったんだと思う。置かれた状況のなかで必死で生きてきたんでしょうね。子どもの頃、愚痴ばかり言っていて笑わない母親が幸せそうには見えなかった。私が泰雄さんを選んだのは、“この人といたら、いつも笑っていられるな”と思ったからなんです」

さらに、彼からもらった、宝物の言葉がある。

“ありのままの自分を好きになればいい”

いい人を選んだね。おめでとう! 幸せにね!!

鎌田 れい 仲人・ライター

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かまた れい / Rei Kamata

雑誌や書籍のライター歴は30年。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も。『週刊女性』では「人間ドキュメント」や婚活関連の記事を担当。「鎌田絵里」のペンネームで、恋愛少女小説(講談社X文庫)を書いていたことも。婚活パーティーで知り合った夫との結婚生活は19年。双子の女の子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイトはコチラ

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