「シンガポール版メルカリ」が超人気の秘密 お金持ちに近づくために何をすればいいのか

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シンガポールでは、商品の受け渡しは基本的に対面での現金決済か銀行間の資金送金が一般的です。前出のカルーセルでは、メルカリと同じように、売買したい商品の情報を手軽にアプリにアップできて、写真もきれいに加工できます。ただ「メルカリ」と違うのは、今のところ手数料は取られません。売り手と買い手が直接連絡を取り合い、商品とおカネを引き換える方法が一般的です。これは日本ほどは宅配便が整備されていないという理由もあります。

また同国ではフリマアプリだけではなく、フェイスブック(FB)を使った個人間売買も活発で、駐在員の妻同士で商品を売買するページや、マンションなど同じ集合住宅の住民のページもあるくらいです。私が住んでいる集合住宅でも住人のFBページがあって、そこで物の売り買いができるようになっています。子どもの中古の絵本を1冊100円程度で買ったことがありますが、同じ建物に住んでいる顔見知りだったために、受け渡しがとてもスムーズでした。

外国人駐在員の妻のFBページもあるのですが、そのページで売りに出されているのは高級品が多いです。たとえば、ブランド物の家具や家電、ベビー用品、デザイナーズブランドのドレスや靴やバッグ、なかには車や不動産まで「買いませんか?」と投稿している人がいます。

一度も使っていないワンシーズン前のブランド物のバッグを半額以下で載せている人もいます。富裕層の人口密度が非常に高い国だからでしょう。こうした「華やかなサイト」で買い物することを趣味としている人もいるほどです。聞いてみると、買ったものを受け取りに、売り手の豪邸に足を運ぶことも楽しみの1つなのだそうです。

フリマサイトで、商品を高値で売るには?

フリマサイトを使ったことがある人ならわかりますが、売りに出すときにいくらで売るべきか、値段設定を迷うことも多いと思います。一般に欧米系の人は値切らないので、最初から合理的な値段で出さないことには、見向きもされません。反対に日本のメルカリやシンガポールのカルーセルでは値切りがある文化なので、最初は強気な値段設定をして値引きをして売るという戦略も有効です。

「値段は高めでも状態がよい物を好む集団」「少々状態は悪くても安い物を好む集団」など、市場に参加している買い手のニーズに合わせて戦略を変える必要があります。私の経験では、一般にシンガポール人は、カジュアル系でもなんらかのブランドが付いていれば多少状態が悪くても細かいことは言わないので、売りやすいです。また、まとめ買いをしてくれる人もいるので楽です。反対に日本人が相手だと、状態も良く値段も安くないと売りにくいです。そのため、中古売買に慣れている外国人に売るほうが楽だと感じています。

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