エステーとダイハツのCMが心をつかんだ理由 5月後期作品別CM好感度ランキング

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
エステー「ムシューダ」CM「そこにいる」篇A 15秒
あなたのお気に入りのCMは、何位にランクインしているだろうか?
CM総合研究所が毎月2回実施しているCM好感度調査は、東京キー5局でオンエアされたすべてのCMを対象として、関東在住の男女モニターが、好きなCM・印象に残ったCMをヒントなしに思い出して回答するものだ。
最新の2018年5月後期(2018年5月5日~ 2018年5月19日)調査結果から、作品別CM好感度ランキングTOP30を発表。その中から、CM総研が注目するCMをピックアップして、ヒットの理由に迫る。

 

期間中に放送された3228作品のうち、CM好感度1位に輝いたのはサントリー食品インターナショナル『伊右衛門』で、同銘柄としては初の総合1位となった。CMは“こころにざわつき”を抱えた現代人が江戸時代にタイムスリップし、本木雅弘・宮沢りえ演じる伊右衛門夫妻のもとを訪れるシリーズの第2弾。前作の草彅剛に続いて、今回はザ・ドリフターズから加藤茶、高木ブー、仲本工事の3名が出演した。

月夜の縁側に座った仲本が「8時か……」としみじみとつぶやき、「俺たち、誰かを笑わせてきたのかな」とこれまでを振り返ると、高木が「笑われてたりして」と物思いにふける。すると加藤が「いいんだよ。それならそれでよ」と自分たちらしさとして受け止め、傍らで見守っていた宮沢も微笑みながら同意。そして3人が商品を味わい、ホッとして心を軽くしていると、本木が戸を開けた勢いで彼らの頭の上に“たらい”が落ちてくるというドリフの定番のネタで締めた。

CM好感度を牽引したのは、30代以上の世代だ。「ほのぼのと渋い感じの展開も最後はたらいでドリフらしいお約束」「小さいときからの光景が久々に見られた。3人の会話内容が心にひびいた。」「初めて見たときしみじみいいなぁーと思っていたら!!! 上からタライが!!! 大笑いしてしまった。なつかしー!!!」など、悠々と流れる穏やかな時間からのコミカルなオチという展開が、幼い頃からザ・ドリフターズの笑いに親しんできた世代を喜ばせた。

さらには『8時だョ!全員集合』などの番組が終わって、そのずっと後に生まれた世代からも“ドリフ”という単語がコメントに現れ、小学生までもが「おもしろい」と評した。かつて日本中の笑いを独占したギャグは時代を超えて人々に笑いを届けている。

プロが作るとこうなる!ムシューダが3期連続トップ10

3期連続で総合トップ10入りを続けるエステーの防虫剤『ムシューダ』にも注目だ。5月前期調査で2011年8月前期の『消臭力』以来同社2度目の総合1位に輝き、続く5月後期はわずか13回という少ない放送回数ながらCM好感度では7位にランクイン。いかに効率よく視聴者にその存在を印象づけているかを物語っている。

CMは高橋愛とキャラクターの“ムッシュ熊雄”が「出て来なさい!そこにいるんでしょう!」とクローゼットに呼びかけるシーンに始まる。すると「♪ムッシッシ ムッシッシ」というBGMのもと、害虫に扮した白タイツ姿の人々が次々と飛び出してくる。最後は、戻ろうとする一人に高橋が「戻るな!」と一喝して締めくくった。

次ページあえてベタな勝負に挑んだエステー
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事