「固定資産税」の実は不公正で危うすぎる実態

古い公図に頼り、所有者不明にも有効策なし

家を覆うように庭木が伸びた空き家。所有者は3年ほど前に亡くなったという(筆者撮影)

埼玉県中央部にある吉見町。最寄りの東武東上線「東松山駅」から車で10分余りの団地の一角は雑草が生え放題になっていた。「30年以上来たこともなかった」という所有者の60代の男性は、場所も覚えておらず、地図を頼りにその場所にたどり着いた。

所有者と連絡が取れない土地も多い

この一帯は「比企ネオポリス」と呼ばれる。1960年代に山を切り開いて造成・分譲された団地だ。斜面にひな壇のように大谷石で囲われた区画が並ぶ新興住宅街だが、空き地が目立ち、「売り家」という看板がかかった家、門の表札を外したままの家など、空き家も多い。

表札が外されたままになっている家。登記簿の所有者の住所は変更されないままだ(筆者撮影)

空き地の所有者を調べたくて登記簿を見ると、所有者が50年以上前に買った人のまま替わっていないケースも多い。その住所はグーグルマップで検索しても、当時の番地がなくなっていて、なかなかヒットしない。ようやく番地があって手紙を出しても、転居先不明で返ってきた人もいた。そんな中から連絡をくれた都内の男性だった。

男性は、地方から出てきた親がマイホームを建てようと手に入れた土地を、20代のときに譲り受けた。家を建てようと、試しに電車に乗ってみたが、都内の勤務先から東松山駅までで1時間以上かかる。バスを使うとさらに30分は余計にかかるので断念したという。親は「(市街化を抑制すべき区域として都市計画法で規定されている)市街化調整区域だから固定資産税はかからない」といい、実際に町から納税通知も来ないため、そのままにしていた。

一度だけ、雑草を刈るようにと、町から通知が来た。業者の紹介も同封されていたため、おカネを払って委託したが、その後はまた、音沙汰なしになった。

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