「飲み歩きの聖地」京成立石が大変貌する理由

「せんべろの街」駅前は高層ビルに

こうした具体的な話が出てきている一方で、再開発準備組合の飯野氏は「建物の形は決定ではない」という。「現在の基本計画案は、地元の皆さんの意見交換や勉強会を経て組合でまとめたものだが、具体的な公園や商業施設の中身についても、今後の地権者の合意での再開発組合の設立、権利変換の認可など手続きが進む中で、地元の皆さんの話を聞いて、組合として決めていきたい」と飯野氏は説明する。

こうして進んでいる再開発事業に向けた計画だが、気になるのは「昭和レトロ」感をはじめとした「立石らしさ」がどれだけ残されるかということだ。

駅北側にのびる商店街。買い物をする人は高齢者が目立つ(筆者撮影)

「準備組合で勉強会などもたくさんやっているが、地権者の皆様からはさまざまな意見をいただいている。立石の商店街はお客さんが来ているし、テレビにも取り上げられる元気な商店街だ。そうした中でにぎわいやふれあいといった大事なところを残しながらやっていく。そして5年10年経ったときに人のにぎわいやふれあいといったところが続いているねと言ってもらえるようなものにしていかなくてはいけないと思っている」(飯野氏)

地元の人はどう考える?

では、まちで商売を営む人の声はどうだろうか。

ある男性は「再開発が決まったなら、早くやってほしい。地元の人は、地元の居酒屋で飲まないし、他所から来ている人が寂しいと言っている」と再開発に賛成だ。同じく賛成する女性は「住んでいる人間にとっては現状は不便だ。来る人も商店街ではなく、立ち飲み居酒屋に来る人ばかりだし、商店街を歩くのは高齢者ばかりで若い人はあまりいない。汚い街で、紳士的な人たちはやってこない。再開発できれいにしてほしい」という。

一方で反対派も一定数いる。まちを歩くと「街壊し再開発は反対」と書かれた「心配する人の会」が立てたのぼりを見ることができる。のぼりを立てているある店の男性はこう語る。

「そもそも高度経済成長期にできた再開発法をもとに、今でも再開発を行うこと自体無理がある。地元の組合での施工となると、地権者が金を出すことになってしまう。再開発がうまくいかなかった時の補償のお金ももらえない。また、もし、再開発後に現在と同じ坪数をもらえるのであればいいが、そんなことはないだろう。そして今のように1階の道路に面した所で商売できるわけでもない。だから反対している」

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