「飲み歩きの聖地」京成立石が大変貌する理由

「せんべろの街」駅前は高層ビルに

立石駅北口地区第一種市街地再開発事業は約2.2haで行われる。1997年に立石駅北口地区再開発研究会が設立され、2007年に立石駅北口地区市街地再開発準備組合が設立された。昨年には都市計画決定もされ、現在は再開発組合設立に向けて地域の土地権利者が意見を出し合っている段階だという。

ところで、市街地再開発事業には「第1種」と「第2種」と2つの種類がある。このうち立石駅北口地区のものは「第1種市街地再開発事業」だ。これは市街地において土地の合理的かつ高度な利用などを目的として実施される事業で、現在持っている土地の権利と相応の権利を新たに建設される建物の中に変換するというやり方で、六本木ヒルズと同じやり方だ。

立石駅北口の場合、事業主体は先述の通り立石駅北口地区再開発準備組合で、組合員は地元に土地の権利を持つ人たちだ。そこに事業協力者として旭化成不動産レジデンスと首都圏不燃建築公社が関わるほか、いくつもの専門コンサルタントが協力し、葛飾区も組合をサポートして事業を推進していく。

再開発を急ぐ理由は?

京成立石駅。周辺は木造建築が密集し、地震の際の建物倒壊危険度が高いとの調査結果が出た(筆者撮影)

こうして再開発準備組合を結成してまで地元の人たちが再開発を急ぐ理由は、安全に安心して住み続けられる環境づくりにある。立石駅周辺は木造建築が密集しているため、地震があった際の建物の倒壊危険度や火災危険度が極めて高くなっているのだ。

今年の2月に東京都が結果を発表した「地震に関する地域危険度測定調査(第8回)」によると、立石駅北口地区第一種市街地再開発事業の範囲内となる「立石4丁目」は建物倒壊危険量では1ヘクタールあたり11.91棟が全壊する危険性があり、順位は島嶼部を除く都内の全5177カ所(町丁目)のうち118位だった。火災危険量も1ヘクタールあたり6.75棟が全焼する危険があり、順位は159位だった。

また、総合危険度でも順位は172位と都内でもかなり上位に位置している。同じく北口地区の再開発事業範囲内となる立石7丁目では建物倒壊危険量では1ヘクタールあたり11.16棟が全壊する危険があり、順位では153位とこちらも上位に位置している。

「北口の火災危険度が非常に心配だ。2016年に糸魚川で大規模な延焼火災があり、とてもショッキングだった。再開発を早くやらねばという権利者も増えた。区としても準備組合に対しては防災性の向上に寄与できる計画にしてもらえるようにお願いしている」(工藤課長)

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