実績と経験のW杯代表23人に課せられた使命 平均28.3歳、ベテラン中心がもたらす影響

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香川と岡崎のガーナ戦でのプレーを振り返ってみると、香川は左シャドウとトップ下で後半の45分間、岡崎は1トップと2トップの一角として後半の31分間プレーした。

香川は登場から10分間は凄まじい迫力で攻めに出て、シュートを立て続けに2本放ち、右ウイングバックの酒井高徳(ドイツ1部・ハンブルガーSV)に目の覚めるようなサイドチェンジを送るなど、非常にアグレッシブな印象を残した。

が、その10分以降は勢いがダウン。90分ゲームをしていない問題点を露呈した格好だ。岡崎のほうもレスターでプレミアリーグ制覇を成し遂げた15-16シーズンのような前線からのハイプレスや動き出しの速さが影を潜めていて、シュートシーンもないまま終わってしまった。彼らに大きな期待を寄せる西野監督としても、もっと調子を上げてほしいと熱望しているはずだ。

「本当に積み重ねてきたものがある。ブラジルのピッチで感じた悔しさであったり。あの結果が自分たちを強くしてくれたというのをロシアで証明したい。そのためのプロセスは十分築き上げてきたと思っているし、自分自身も信じているので、ピッチで証明していきたいです」と香川は4年前のリベンジを誓ったが、岡崎も同じ気持ちに違いない。

ブラジルでの惨敗をロシアで繰り返すようなことがあれば、日本サッカーは過去にない窮地に立たされるだろう。逆に、彼らが日本を1次リーグ突破へと導くことができれば、「西野監督の選択は間違っていなかった」という話になるはず。圧倒的な実績を誇る「ビッグ3」の中の2人が率先してそう仕向けなければ、選から漏れた若手も納得がいかないかもしれない。

日本代表の危機を救うのは23人にしかできない

「23人に選ばれた人は絶対に結果を出さないといけないし、そういう気持ちを持たないとこれから日本のサッカーは発展しない。誰が選ばれてもしっかりと結果を求めてこれからの世代につなげていかないと日本はいい方向に進まないと思います」

これはブラジル経験者の1人である清武弘嗣(J1・セレッソ大阪)が口にした言葉だが、まさにその通りだ。岡崎や香川、他のメンバーも浅野や井手口、三竿、他に外れた代表候補たちの悔しさを背負って、ロシアで戦わなければいけない。ハリル監督解任、不本意な結果が続く日本代表を危機から救うのは自分たちであることを改めて再認識してほしいものである。

(文中敬称略)

元川 悦子 サッカージャーナリスト

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もとかわ えつこ / Etsuko Motokawa

1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、1994年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。著書に『U-22』(小学館)、『初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅』『「いじらない」育て方 親とコーチが語る遠藤保仁』(ともにNHK出版)、『黄金世代』(スキージャーナル)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)ほか。

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