国会最終盤は「なんでもありの遭遇戦」になる

米朝会談中止は「政権運営にプラス」の見方も

さらに、森友問題やセクハラ問題での暴言・失言連発で集中砲火を浴び続ける麻生太郎副総理兼財務相のいわゆる"麻生節"の炎上も止まらない。

24日の麻生派定例会合で同派会長としてあいさつした麻生氏は「マスコミにいくら叩かれようと、間違いなく、内閣支持率はほとんど増えてきている。騒いでいる(野党の)ほうはどうかといえば、少数政党が一緒になったり、くっついたり、離れたり。政党の名前も最近言えなくなってきた」などといつもの"べらんめえ口調"で語った。これには党内からも「不祥事の責任者としての自覚がまったくない」(閣僚経験者)との批判が噴出している。

政府与党にとって24日に告示された新潟県知事選の結果も気がかりだ。女性スキャンダルで辞任に追い込まれた前知事が、原発再稼働反対を掲げて野党の支持で自民党の支持候補を破って当選した経緯から、自民党は「県政奪還のチャンス」と勢いづいた。

だが、新潟県議を辞職して出馬した女性候補が自民党支持候補と互角の戦いの様相だ。最大の争点は、地元の原発の再稼働問題であり、来年夏の参院選の試金石ともなるだけに、与党の支持する官僚出身候補が敗れれば、最終盤の国会攻防にも大きな影響を及ぼすことになる。

国会での激しい攻防から逃れるように24日午後、首相は昭恵夫人を伴ってロシア訪問の旅に出た。それに先立つ22日の細田派政治資金パーティーでは細田博之会長が9月の総裁選での首相の3選に向けた結束を訴えている。これに遅れて駆け付けた首相も、憲法9条に自衛隊を明記する改憲案について「必ず約束を果たしたい」と表明して、総裁選出馬への意欲をにじませた。

岸田氏出馬か、派内で主戦論強まる

ただ、自民党内では国会閉幕後に石破茂元幹事長や野田聖子総務相が出馬宣言する準備を進めている。さらに、対応が注目されている岸田文雄政調会長もここにきて精力的に地方行脚を続けており、岸田派内にも「もう、禅譲期待などなくなった。戦わなければ『次の次』などあり得ない」との主戦論が拡大している。

6月20日の会期末まであと4週間足らず。首相サイドからは「局面打開には野党の内閣不信任案提出を機に会期末解散に踏み切るべきだ」(飯島勲内閣官房参与)との声も飛び出す。解明が進まず、疑惑ばかりが拡大し首相や麻生氏の責任が指摘される「もり・かけ」問題と会期末の法案処理といった内政問題に、北朝鮮情勢や日米貿易交渉など重要な外交課題が複雑に絡み合う。

こうした「なんでもあり」の政局を首相がどう乗り切るのか。永田町では「日大のような"逃げ一辺倒"では、政権危機が深まるだけ」(自民長老)との厳しい見方も広がっている。

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