「就活生への心ない発言」が頻発する採用現場 「身の丈就活を」「恋人の有無は」と平気で話す

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社会人の基本も、肯定的で前向きなトークだ。できる営業は取引先に行っても、ライバル企業を安易にけなすことはしない。しかし、人事の中には、何も知らない学生に対してライバル企業を批判する人がかなりいるようだ。目の前の学生がライバル企業を志望している可能性があるので、批判して志望度を下げようとしているのかもしれないが、効果は期待できない。むしろ自分の点数を下げる。

「同業他社の批判」(北海道大学・文系)、
「他社の批判。公平な立場で事実を告げるのであれば問題はないが、個人的な主観だけで意見を就活生に言うのは良くない」(北海道大学・理系)
「他社の選考状況を聞くのはよいが、他社を蔑んだり、他社の事業説明を求めるのは筋違いだと思う」(大阪薬科大学・理系)
「○○社と比べてもこの仕組みは優っている」(明治学院大学・文系)

2.自分の会社や部下に対する悪口

悪口を言う人は、なんでも敵視するので、ライバル会社だけでなく、自分の会社や取引先、部下をも攻撃する。こんな悪口を聞かされた学生がネットの投稿やこうしたアンケートに回答すれば、かなり大きなダメージになると思うが、そんなことは予想していないのだろう。〇〇の部分も実際は実名で記載されているのだ。

「取引先など関連のある会社のことを見下したような言い方をする人がいた」(金城学院大学・文系)
「会社に対する不満、社員の悪口」(広島市立大学・文系)
「○○の社員が自分の部下である年長の社員を“老人”呼ばわりしていたこと」(慶應義塾大学・文系)

社員や会社の悪口をいう担当者にうんざり

3.「残業が多いのが普通」と平気で言う

2010年代に入ってから、過度な残業を社員に課す”ブラック企業”に関する報道が増え、政府も「働き方改革」の方針を打ち出した。残業時間削減が社会的なテーマになっており、学生が「残業」に対して、強い忌避感を持つのは当然かもしれない。だから、「残業があります」(実践女子大学・文系)や「休みが取りにくい」(大分大学・文系)という人事発言にショックを受ける学生が出るのも、無理のない話だろう。

「残業はどれくらいだと思うかと聞かれ、私が15時間くらいと答えると笑われて、そんなに甘くないからと言われた」(東海大学・文系)という声もあったが、むしろこの人事は親切なアドバイスをしているように思う。

しかし、学生に「過労死ライン」といわれる80時間を大きく超えた残業が普通だと言って、脅す企業もある。早期離職を防ぐために入社前に伝えて覚悟させようと考えているのかもしれないが、このような残業を求める会社は、社会が求める方向性から大きく逸脱していると言わざるを得ない。

「深夜2時まで残業は普通にあるよ」(東京農工大学・理系)
「先月の残業時間が230時間あったと聞いた時」(茨城大学・理系)
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