「東大卒」で活躍できる人とできない人の違い 「人工知能革命」の荒波を越える力とは何か
この「七つの知性」については、拙著『知性を磨く』(光文社新書)において詳しく述べたが、要約的に述べるならば、それは、
という「七つの知性」であり、これらの知性を、仕事の様々なレベルでの経験を通じて、それぞれ、身につけていかなければならない。
いずれにしても、実社会に出たら、まず、目の前の仕事を、従来とは異なった視点で見つめ、その仕事の新たなやり方や、より良いやり方を考え、さらに、それを実現する力を身につけていかなければならない。
そうした意味での「知的創造力」を身につけていったとき、いつか、世の中の役に立つ新たな商品やサービスを開発する仕事に取り組んだり、一つの企業や地域、国家や社会の新たな戦略や政策を立案する仕事に取り組むことができるようになるだろう。
「答えの無い問い」を問う力
しかし、こう述べると、また、一つの疑問を抱くかもしれない。
「実社会における『知的創造力』というものが、そうした実践的なものであることは理解したが、それでも、やはり、最初の『新たなアイデア』が大切ではないか。そのアイデアを生み出すためには、何が必要か」
それは、たしかに大切な問いだ。もとより、「新たなアイデア」や「創造的なアイデア」を生み出すための一般的な方法は無いが、そのアイデアを生み出す「知的創造力」を発揮するために、必ず身につけなければならない力がある。
それは、「答えの無い問い」を問う力だ。
なぜなら、実社会の仕事の世界では、直面する問題のほとんどが、「答えの無い問い」だからだ。
例えば、会社で新たな商品やサービスの開発に取り組んだとき、その商品やサービスが、どれほど世の中から求められているかは、実は、分かるようで分からない。どれほど市場の調査や分析を行っても、現在のような多様化し、変化の激しい市場では、顧客のニーズというものが分かるようで分からない。それは、まさに「答えの無い問い」だ。
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