日経平均8日ぶり反落 過熱感や週末要因が重し

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10月18日、東京株式市場で日経平均は8日ぶりに反落。写真は都内で7日撮影(2013年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 18日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は8日ぶりに反落。短期的な過熱感や1ドル98円付近とドル安/円高に振れた為替が重しとなった。週末を控えポジション調整売りや利益確定売りなども上値を抑えたという。

一方、米量的緩和縮小の後ずれ観測や国内企業業績の上方修正期待などで底堅さを維持。中小型株への個人の買いも下支えした。東証1部の売買代金は1兆6078億円と薄商いが継続。オプション市場ではボラティリティの低下も目立った。

日経平均は後場に一時83円安まで下げ幅を広げる場面があったが、心理的節目の1万4500円を維持し、高値圏でのもみ合いとなった。「一段の円安進行は難しく、株価の上値は重いが、中間決算を前に好業績期待が下値を支えている。増配や自社株買いなど株主還元策への期待感も根強い」(東洋証券・投資調査部ストラテジストの土田祐也氏)という。米景況感に与える米政府機関閉鎖の影響が警戒され、米量的緩和縮小時期が来年以降に先延ばしされるとの見方も株価の支援材料とみられている。

手掛かり材料難から指数は方向感に乏しい展開となったが、中小型株物色が活発化しており、「相場の中身は悪くない」(国内証券)との声も出ていた。全銘柄の売買代金ランキングでは、トップのソフトバンク<9984.T>に続き、2位が直近IPO銘柄のエナリス<6079.T>、4位がペプチドリーム<4587.T>、8位がガンホー<3765.T>と活況だった。日経ジャスダック平均や東証マザーズ指数はともに続伸した。

指数の値動き低下に同調するように、日経平均ボラティリティ指数<.JNIV>の低下が顕著。一時20を割り込んだ。「米財政問題が解決したことで緊張が解け、世界的にボラ縮小の動きにある」(外資系証券トレーダー)という。マクロ系ヘッジファンドがコール・オプションの一部を手仕舞う動きが観測されている一方、ロングオンリーの海外資金は継続的に現物株に入っているといい、穏やかな中期上昇トレンドが想定されているという。

セクターでは不動産株の上昇が目立ち、東証33業種では不動産業<.IRLTY.T>が値上がり率2位。成長戦略の柱に据える国家戦略特区での規制緩和の概要で、マンション開発を促すために都心の容積率規制を緩和すると伝わったことが材料視された。ただ、「雇用や農業などでの規制緩和が物足りない印象で、デフレ脱却が遠退くリスクが懸念される」(岡三証券・日本株式戦略グループ長の石黒英之氏)と声も出ていた。

個別銘柄では、日本電産コパル電子<6883.T>が年初来高値を更新。17日、2014年3月期連結業績予想の上方修正を発表し、材料視された。半面、資生堂<4911.T>は売り買い交錯後に小反落。2013年4─9月期の純利益予想を従来の70億円から55億円に下方修正したことが重しとなった。

東証1部騰落数は、値上がり826銘柄に対し、値下がりが769銘柄、変わらずが156銘柄だった。

(杉山容俊)

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