残念!話題の「バターコーヒー」は健康に悪い 「エセ健康情報」に騙されないための基礎知識

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――今わかっている健康になるための「正しい情報」とは、具体的に何でしょうか。

一言で言うと、個人の経験談などではなく、「エビデンスの強い情報」が「正しい情報」だと私は考えています。

「科学的根拠」のことを私たち専門家は「エビデンス」と呼んでいます。このエビデンスにはレベルがあり、最も信頼できるエビデンスのことを、「エビデンスが強い」と表現し、あまり信頼できないエビデンスのことを、「エビデンスが弱い」と表現しています。

ネズミの実験や恣意的なアンケート調査の結果を「エビデンス」だと謳う商品がありますが、それは「とても弱いエビデンス」なので注意してください。

「最強のエビデンス」と言えるのは、メタアナリシスという複数の研究結果をとりまとめた研究手法によって導き出された結果です。

1つの研究であれば、その特定の国民や集団にしか認められないパターンだったかもしれない可能性は否定できませんが、10個も20個もの研究が同じような食事と健康の関係を証明していれば、それはかなり信頼できると言えます。

1つ注意が必要なのは、メタアナリシスの結果がエビデンスとして強いものかどうかはあくまで元となった研究の質によるということです。

メタアナリシスによるエビデンスをアピールしたとしても、元となった複数の研究が問題だらけの研究であれば、当然それらをメタアナリシスの手法でとりまとめたエビデンスは強いとは言えません。エビデンスが強いものであるかを確かめるためには、その元となった研究自体が信頼に足るものかにも着目する必要があるのです。

ただ、一般の方が一つひとつの研究にあたり、そこまでじっくり調べることはなかなか大変だと思いますので、一冊の本にまとめました。

不動の「健康に良い食べ物」5つはこれだ

前回の記事(医学的に「健康に良い食べ物」は5つしかない)にも書きましたが、そのメタアナリシスの結果、本当に健康に良い、つまり脳卒中、心筋梗塞、がんのリスクを下げると現在考えられている食品は以下の5つです。

① 魚
② 野菜と果物(フルーツジュース、じゃがいもは含まない)
③ 精製されていない「茶色い炭水化物」(玄米、全粒粉のパンなど)
④ オリーブオイル
⑤ ナッツ類

反対に、体に悪いと考えられている食品は以下の3つです。

① 赤い肉(牛肉や豚肉。鶏肉は含まない。ハムはソーセージなどの加工肉は特に体に悪い)
② 精製された「白い炭水化物」(白米や小麦粉など。じゃがいもを含む)
③ バターなどの飽和脂肪酸
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