凡人が天才に勝る方法は「努力の継続」だけだ 「ハイキュー!!」「弱虫ペダル」の脇役から学ぶ

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思えば、野球マンガ『おおきく振りかぶって』の武蔵野第一高校には、 加具山直人という努力型の選手が出てきます。才能も実力もある後輩をみて、一度は野球をあきらめそうになりますが、後輩と話す中で「 恥ずかしくても一生懸命やっていいんだ……。」という考えに至ります。そう、好きなことは一生懸命に努力していいのです。

自分を信じられるまで努力した手嶋先輩

こうしたキャラクターが活躍するのは『ハイキュー!!』に限ったことではありません。

『弱虫ペダル 38』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

高校生のロードレースを舞台にした『弱虫ペダル』では、「超努力継続型」ともいえる総北高校の手嶋純太選手が活躍しています。

当初手嶋は、インターハイの出場選手を決める総北高校の部内レースで、主人公の小野田坂道らのでライバル役として登場。主人公含め1年生組に負けてしまい、手嶋のあこがれの先輩とのインターハイ出場の夢は絶たれます。

物語はすっかりインターハイでのライバル校、箱根学園高校との戦いに移り、手嶋ら2年生は出場選手の補給係としてしか出てきません。

しかし、手嶋らが3年生になると手嶋は部長に任命され、再びインターハイ出場選手を決める部内選考レースに出場。ここで壁となった同学年の有望選手との戦いを制し、見事インターハイへの出場を決めます。そしてインターハイの舞台で戦うのは、前年の試合で2位だった箱根学園の真波山岳。

奇しくも手嶋は常に才能あふれる選手と戦っていることになるのです。

凡人ならこれまた「負けても仕方がない」と思うところ。正直読み手である私のほうがつらい。

しかし手嶋の心に浮かぶのは「オレは平凡!!!目立った才能もセンスもねえ けど 努力だけはしてきたァ!!」という自分の積み重ねた努力への信頼。きっと相手選手も自分と同じもしくは自分以上に努力していることを知っている。

それでもギリギリの場面でこう思えるのは、自信を持てるほど努力してきたと思い込めるから。ここまで自分の自信とできるほど努力を重ねたという確信をもてることに涙が出てきました。

もちろんスポーツの世界では、天才たちも努力を続け、油断をすることはほとんどありません。特にスポーツマンガでは、最も強いのは努力し続ける天才。でもそうした競争環境だからこそ、凡人こそ進み続けることをやめてはいけないのではないでしょうか。田中先輩や手嶋先輩の姿からは、「続けることも才能だ」というメッセージを感じられます。もちろんこれはスポーツには限らないのでしょう。

努力の継続は、ある種根性ともいえるもの。『ハイキュー!!』に登場するキャラクター、孤爪研磨に言わせれば「根性とは最終奥義 精神と体力をきたえてきたものが満を辞して発動できるもの おれには使えない必殺技」だそうです。

自分の周りのすごい人、ずばぬけている人を、妬んでも羨んでもいい。でも、それと同時に田中先輩や手嶋先輩のように、自分自身が前を向いて進む努力も忘れない――多くの普通の人に届いてほしいメッセージです。

(文:bookish)

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