国民民主党、「議員を4割も失った新党」の悲劇 政党としての方向性が固めきれていない

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これは来年の統一地方選、そして参議院選を狙っての演出に違いないが、いかんせん顔も名前も広く知られていない地方議員では、どうしても華やかさに欠けるきらいがある。

大物議員たちが不参加を決めたことも、印象が浅かった原因だ。民主党時代に2度、そして民進党では初代の代表を務めた岡田克也衆議院議員は4月27日に会見を開き、国民民主党への不参加を表明した。

「今思い出しても残念というか、20年やってきたことはいったい何だったのか」

表情こそいつものポーカーフェイスだったが、その言葉には「憤懣やる方なし」といった気持ちがにじみ出ていた。岡田氏は国政では政党に所属せず、同じ三重県連の中川正春衆議院議員らと地域政党「三重新政の会」を立ち上げるという。

野田前首相は政治団体を立ち上げ

民主党政権時に総理大臣を務めた野田佳彦衆議院議員も5月7日午前に千葉県庁で会見を開き、国民民主党への不参加と県内で独自の政治団体を立ち上げることを表明した。その他、新党への不参加を表明したのは、安住淳衆議院議員や玄葉光一郎衆議院議員などのベテラン組だ。いずれも「国民民主党の結党は時期早々」と考えるが、同時に「世代交代」というしこりもある。

というのも、旧民主党からの歴史でいえば、希望の党の代表で国民民主党の共同代表を務める玉木氏は「第3世代」に該当する。第1世代は旧民主党結党時の中心だった菅直人氏や鳩山由紀夫氏で、第2世代は立憲民主党の枝野幸男代表や野田氏や安住氏や玄葉氏など当選8〜9回の50代だ。当選10回で60代の岡田氏は第1世代に入るだろう。

彼らが「新党よりも野党の連携」を求めるのは、第3世代に代替わりした新党よりも第2世代の枝野氏が代表を務める立憲民主党にシンパシーを感じているからに違いない。

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