「首相案件」だけ優遇、加計問題の深すぎる闇 なぜ京都産業大への対応と大差があったのか
加計学園の獣医師学部新設は、果たして公正に行われたものなのか――。この問題で国会が大揺れに揺れている。
それまで愛媛県が「ない」としていた獣医学部新設を巡る政府関係者とのやりとりを記した「愛媛県文書」の存在が、4月9日に明らかになった。翌10日には中村時広愛媛県知事が当時の関係者にヒアリングを行い、「職員が作成したメモ」と確認した。
その内容は、13日に齋藤健農水相が会見で「農水省内で見つかった」と発表した文書の内容とほぼ同じだ。いずれも2015年4月2日に愛媛県地域政策課長と今治市企画課長、そして加計学園事務局長らが藤原豊地方創生推進室次長(当時)と柳瀬唯夫首相秘書官(当時)と面談し、獣医学部設置について積極的なアドバイスを受けていたことが記されている。
加計学園と京都産業大学への対応に大差
また朝日新聞は4月13日、獣医学部新設について加計学園と競合していた京都産業大学元教授の大槻公一氏のインタビューを掲載。大槻氏は2016年1月に内閣府で藤原氏に会ったものの、積極的なアドバイスを受けられず、官邸にも呼ばれなかったことを明らかにした。
「愛媛県文書」によると藤原氏が加計学園の構想に対して以下のようなアドバイスを与えている。これと比較すれば、京都産業大学に対する対応との間に顕著な差があることがよくわかるだろう。
・政府としてきちんと対応していかねればならないと考えており、互いに知恵を出し合いたい。
・国家戦略特区の手法を使って突破口を開きたい。風穴を開けた自治体が有利。仮に指定を受けられなくても、別の規制緩和により要望を実現可能。
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