大川小裁判2審、再び勝訴した遺族側の本音 石巻市と宮城県へ14億円余りの賠償命令

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学校側の事前の防災対策の不備が2審で認められ、1審に続き、2審でも遺族側の勝訴となった(写真:GARDEN Journalism)
さまざまな社会問題と向き合うNPOやNGOなど、公益事業者の現場に焦点を当てた専門メディア「GARDEN」と「東洋経済オンライン」がコラボ。日々のニュースに埋もれてしまいがちな国内外の多様な問題を掘り起こし、草の根的に支援策を実行し続ける公益事業者たちの活動から、社会を前進させるアイデアを探っていく。

GARDEN Journalismで継続して取材を続けている、東日本大震災による津波で多くの犠牲を出した宮城県石巻市の大川小学校。2018年4月26日に控訴審判決の日を迎え、1審に続き2審でも遺族側が勝訴し、宮城県と石巻市の過失を認めました。今回の特集記事では、2審判決後の遺族の声をお伝えします。

控訴審が結審した1月23日の様子はこちらの記事をご覧ください(大川小訴訟 「なぜ我が子が死ななくてはいけなかったのか」 その一点を求めて)。

「全国の防災指針に役立つ判決だと思う」

4月26日午後、仙台高裁で判決が出ました。ご遺族の皆さんの勝訴です。

本記事はGARDEN Journalism(運営会社:株式会社GARDEN)の提供記事です

東日本大震災の津波で宮城県石巻市立大川小学校の児童74名、教職員10名が死亡・行方不明になった事故。

学校管理下で失われた大勢の命。避難指示が適切に行われず、事前の対策も怠っていたとして23人の児童のご遺族が石巻市と宮城県に対して訴訟を起こしていました。

「なぜ自分の子どもが死ななくてはならなかったのか?」

切実な思いで踏み切った訴訟です。市の教育委員会などが丁寧にご遺族に事実を説明していれば裁判になんてならなかったのです。取材を通じて聞こえてくるのは、事実のねじ曲げ、隠蔽、暴言などご遺族の気持ちを踏みにじる市や県側の対応でした。

「教育行政がこんなことではこれからもまた同じような事故が起きてしまうかもしれない」

ご遺族の佐藤和隆さんや只野英昭さんは私の取材に悔しさと怒りをにじませながら、そう気持ちを打ち明けてくださいました(隠蔽や改ざんに立ち向かう親たち 「本当のことを知りたい」 終わらない震災の記憶)。

1審に続き、2審でもご遺族の皆さんが勝訴しました。

次ページ「避難場所や避難経路などを定める義務があった」
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