実践!認知症を防ぐ超シンプルな3つの習慣 脳の健康を守れば認知症リスクは下げられる
脳の血管障害と「タンパク質のゴミ」が、認知症の主な原因だということが理解できた。そして瀧氏は「このどちらにも効果があるのが、実は有酸素運動なんです」と明かす。
「詳しいメカニズムはまだ不明な点も多いのですが、有酸素運動によって脳内で脳細胞のエネルギー源であるBDNF(brain derived neurotrophic factor:脳由来神経栄養因子)が作られます。それによって海馬の神経細胞が再生するのです。さらには有酸素運動によって、海馬そのものの体積が増えたという研究報告もあります」
有酸素運動をすると血流がよくなり、肥満解消もできる。だから動脈硬化を予防でき、脳内で血管が詰まったり、血管が破けたりするリスクも下がる、というわけである。
さらに、先に見たように海馬は記憶を作る脳領域である。「タンパク質のゴミ」のせいで機能しなくなった海馬の神経細胞が運動で再生するというのだから、運動が認知症予防につながるという話も納得できるだろう。
1日30分程度の有酸素運動を習慣づけよう
では、どれくらいの運動をすると、認知症予防につながるのだろうか。
瀧氏はこう説明する。
「1日30分程度、歩くなどの有酸素運動を習慣づけましょう。一定時間、脳に酸素を送り続けることが重要ですから、激しいスポーツや、筋トレなどの無酸素運動は、かえっておすすめできません。公園などで見かける、踏み台の昇降運動もいいでしょう。なければ、自宅内やマンションの階段で代用することもできます」
瀧氏のほか、『最強の健康』に登場した他の先生も「ちょこっとでも歩く」ことをすすめている。認知症予防にもつながると思えば、さすがに歩きたくなってくるのではなかろうか。
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