実践!認知症を防ぐ超シンプルな3つの習慣 脳の健康を守れば認知症リスクは下げられる
認知症の発生メカニズムを説明する前に、そもそも、どういう症状を「認知症」と呼ぶのかをはっきりさせておこう。
歳をとると体が衰える。若いころのようにあちこち飛び回るなどの無理がきかなくなる。
同様に脳も老化する。すると記憶力が低下し、「あれ、どこやったっけ?」といった症状が起こりはじめる。ただし、これは脳の老化現象による「もの忘れ」だ。専門的には「良性健忘」と呼ばれ、「認知症」とは区別されている。
「認知症」とは、一言でいえば、日常生活に支障をきたすほど、もの忘れが深刻化した病気だ。そうなると、ある記憶の一部ではなく、その記憶ごとごっそり抜け落ちる、ということが起こり出す。
たとえば、「一昨日の夕飯のおかずを忘れる」はもの忘れだが、「今日、夕飯を食べたことを忘れる」となると認知症の可能性があるかもしれない。もっと進むと日にちや時間などがわからなくなり、ついには家族の顔や、自分が誰なのかも忘れてしまう。これらは脳の老化によって起こる症状とは異なり、明確な原因があって発症する病気なのである。
認知症は「タンパク質のゴミ」から生まれる
認知症を引き起こす原因は、大きく2つある。
1つは脳梗塞や脳出血、クモ膜下出血などの脳血管疾患。これは「脳血管型認知症」と呼ばれる。
そしてもう1つの原因は、「タンパク質のゴミ」が脳内に蓄積することだ。タンパク質のゴミによって名称が変わり、レビー小体が蓄積したものは「レビー小体型認知症」、アミロイドベータタンパク、タウタンパクが蓄積したものは「アルツハイマー型認知症」と呼ばれる。中でも「アルツハイマー型認知症」は、認知症全体の約50%を占めている。
「タンパク質のゴミ」が脳に蓄積すると、脳の神経細胞に炎症を起こす。結果、脳の神経細胞の機能が落ちる。最初は記憶を作る海馬、続いて判断力などの認知機能を司る前頭野へと、タンパク質のゴミの蓄積が広がっていく。
こうして「単なるもの忘れ」では済まされない、深刻な認知障害へと発展していくのである。
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