東京駅からわずか2駅という好立地で、ここまでまとまった土地が出現することは珍しく、東京都も跡地の活用に乗り出した。都は1990年の第3次東京都長期計画にて、貨物駅や青果市場の跡地など秋葉原駅周辺の土地を活用地区に指定している。
1992年には再開発の基本方針を制定し、翌1993年には常磐新線(現・つくばエクスプレス)の乗り入れが決定し、再開発の機運はいよいよ高まった。
大きく変わる駅前の姿
再開発を通して目指したのは、「IT拠点」としての秋葉原だった。東京都が2001年に策定した秋葉原まちづくりガイドラインは、まちづくりの方向性として「次世代マルチメディア社会の活動の場」を挙げ、「24時間都市としての社会基盤の整備」などを掲げた。2003年には日本通運が千代田区外神田から本社を移転し、区域外にも再開発の流れは広がっていった。
再開発の議論が俎上に載って以来もうすぐ30年。当初の区画整理事業区域には高層ビルやタワーマンションが林立する。区域外にも目を向けると、住友不動産が2018年と2019年に竣工予定の高層ビルを計3棟開発中だ。これらを合わせると、秋葉原で開発された物件は計19棟、新たに出現した延べ床面積は60万平方メートルにも上る。
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