賃金アップと言うけれど
最大の焦点になるのが法人税減税をめぐる推進派と慎重派の攻防だ。政府・与党の間で調整が難航したのは、「復興特別法人税の1年前倒し廃止」と「法人実効税率の引き下げ」である。
復興特別法人税については、「12月中に結論を得る」ことが決まり、廃止は半ば既定路線。争点はそのための条件をどう整えるかに移っている。
ネックになっているのが賃金をめぐる条件だ。復興特別法人税を廃止するための条件について、閣議決定文書は「確実に賃金上昇につなげられる方策と見通しを確認すること」と定めている。だが、賃金はあくまで民間企業が決めるもの。政労使の協議や経済産業省の監視によってプレッシャーをかけるだけで、廃止される特別法人税分が本当に賃金アップの原資になるのか疑わしい。
麻生財務相は「この国は全体主義でも軍国主義でもない。自由主義体制を取っており、企業の賃金決定に政府が介入する権限はない」と、民間の意思を尊重する。
この記事は有料会員限定です
残り 1389文字
