花王が2700円もする「白髪染め」に込めた狙い 超高額商品は停滞市場の「起爆剤」になるか
総務省の人口統計によれば、2017年9月時点の日本の総人口に占める65歳以上の割合は27.7%で過去最高を記録している。それに伴い、年々白髪に悩む人も増加。花王の調査によれば女性の場合、30代後半から白髪が増えるケースが多く、30年以上は白髪と向き合うことになるという。
家で白髪染めをする人が減っている
一見すると家庭用白髪染め市場には追い風が吹いているようにも見える。にもかかわらず市場の右肩下がりが続くのは、定年退職を迎えることで白髪染めをやめるケースや、美容院で髪を染める人が増えているからだ。
ある日用品メーカーの関係者は「雑誌などメディアの影響で、白髪がある”自然体な自分”を楽しむ人が増えてきている。ライフスタイルが多様化していることも原因だろう」と指摘する。
こうした状況を打破すべく、花王が打ち出したのが”付加価値型”の白髪染めだ。花王が新たに出す白髪染めと従来品の大きな差は、メカニズムの違いにある。通常使用されることの多い白髪染めは、酸化剤を用いて毛髪内部に浸透させるため髪がダメージを受けやすい。そのため「白髪染め=髪にダメージを与える」と考え、購買を避けていた人々も多い。
リライズの場合、髪を黒くさせるメラニンを再現。白髪にはほとんど存在しないメラニンの再現に成功したことで、髪にダメージを与えず自然な黒髪へと変えさせることができるという。こうした技術を活用することで、今まで白髪染めの使用を避けていた人々の需要も取り込みたいというのが花王の狙いだ。
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