岩盤浴より「入浴」の方が健康効果は高かった 普通の人に「デトックス」は無意味だ

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また、汗をかくことと代謝は無関係です。基礎代謝は筋肉や脂肪の量、そして体内のホルモンの働きで決まります。岩盤浴や半身浴で汗をかけば、体から水が出た分、一時的に体重は減るでしょう。ですが、これは基礎代謝が高まったからではないですし、このおかげで脂肪がつきにくい体質になったりすることも考えられません。

岩盤浴の健康効果は、体をじっくり温めることで血のめぐりがよくなることです。これにより全身に新鮮な酸素と栄養が行き渡れば疲労回復に役立ちます。免疫機能が高まる可能性もあるものの、効果があるのは体が温まっている間だけです。

血のめぐりは普通の入浴でも十分よくなります。そして入浴には、岩盤浴にはない、あと3つの効果があります。下図を見てください。1つは体にかかる水の圧力によるものです。お湯に深く身を沈めると、体全体に大きな水圧がかかります。これがちょうどマッサージのように手足の血液を押し流してくれるので、血液やリンパ液がスムーズに流れ、心臓の働きが穏やかに高まります。

(図:大和書房提供)

「宿便」など存在しない!

もう1つが、お風呂では浮力が働くことです。水中では重さがおよそ10分の1になるため、体を支える骨や筋肉を休ませて心も体もリラックスできます。整形外科や神経内科などで治療を受けている人が温水プールでリハビリをするのも、血液の流れがよくなることで痛みが和らぎ、水の浮力によって無理なく運動ができるからです。

そして3つめが皮膚の汚れを取り去る効果です。ごしごしこすらなくても、お湯につかるだけで汗などの皮膚の汚れがかなりきれいになります。

こういう効果はシャワーにはほとんど期待できません。せっかく家にお風呂があるのに、週に1回岩盤浴に行って、普段はシャワーで済ますというのは非常にもったいないですね。家庭のお風呂の健康効果をもっと活用してください。

汚いもの、有害なものが体にたまっていると言われれば、誰だって不安になります。しかし、取り越し苦労にすぎない健康法は、このほかにもあります。

たとえば「宿便」です。宿便は腸の壁に張りついた便のことで、時に何週間も、何カ月も体内にとどまるとされています。「どんな人にも3~5kgたまっています」と具体的な数値を載せたウェブサイトもあり、考えるとおそろしくなってしまいます。

でも、大きな病気のない健康な人には宿便は存在しません。大腸の手術や大腸内視鏡検査をする前に下剤を使って腸を空っぽにしますが、そのとき便が数キロも出るようなことはありませんし、お腹のCT検査やMRI検査で得られた画像に、そんなものが写っているのを見たことがある医療関係者は1人もいないでしょう。

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