岩盤浴より「入浴」の方が健康効果は高かった

普通の人に「デトックス」は無意味だ

血のめぐりは普通の入浴でも十分よくなります(写真:プラナ / PIXTA)

このところ流行している「デトックス」。デトックスは英語で「解毒」を意味する言葉で、日本では、知らないうちに体内にたまった「有害物質」を体から出すための健康法として知られています。

たとえば、岩盤浴や半身浴で汗をかいたり、「毒出し」効果のある野菜やサプリを摂取したり、感動して涙を流したりして「毒」を出すと、代謝が上がって、肥満や肌荒れ、冷え性などに効果があり、老化防止や免疫向上にも効果がある――。ちまたの「デトックス健康法」はこのように説明されることが多いですが、これははたして真実なのでしょうか。

岩盤浴というのは、天然の岩石や、岩石を固めて作った板を加熱して、その上に横になって体を温める健康法です。しかし、拙著『実はこんなに間違っていた!日本人の健康法~医者が教える「正しい健康情報」の見抜き方~』でも詳しく解説していますが、実のところ出てくる毒の成分が何で、どこから、どういう仕組みで、どのくらい出てくるのかなどの科学的な説明はありません。

「ベタベタの汗」は毒ではない

汗も涙ももとは血液で、その成分はほとんどが水です。そこにナトリウムをはじめとするミネラルと、ブドウ糖、さらに涙にはビタミン、汗にはアンモニア、尿素などが溶けています。

デトックスで毒が出ることの証拠として、初めはさらさらだった汗が、次第にベタベタした汗に変わることを挙げる人がいます。汗がベタベタするのは「毒が混じっているから」だというのですが、これはちょっと違います。確かに、汗は出続けるうちに成分が変わります。といっても毒が出てくるわけではなく、塩分の濃度が上がるのです。

出始めの汗は水っぽく、うっすら汗ばむくらいならベタつくことはありません。塩に含まれるナトリウムは体の機能を維持するうえで欠かせないものなので、体から簡単には失われないようにできているのです。

しかし、汗をかくような状況が長時間続くと、しだいに水に混じって塩が出るようになり、汗の味が塩辛くなります。それでも健康な人であれば、汗から有害物質が検出されることはありません。

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