あからさまな武器商人トランプの危険な内幕 大統領執務室から異例の直接介入

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 4月17日、トランプ米大統領(中央)は1月、クウェートのサバハ首長との電話会談で、100億ドル(約1兆円)規模に上る戦闘機の購入契約を進めるよう圧力をかけた。ミズーリ州のボーイングで3月撮影(2018年 ロイター/Kevin Lamarque)

[ワシントン 17日 ロイター] - トランプ米大統領は1月、クウェートのサバハ首長との電話会談で、100億ドル(約1兆円)規模に上る戦闘機の購入契約を進めるよう圧力をかけた。同契約は1年以上、頓挫していた。

トランプ氏は、米国第2位の防衛機器大手ボーイング<BA.N>のために動いていた。複数の関係筋によれば、同社の軍用機部門にとって極めて重要な同契約がたなざらしにされ、暗礁に乗り上げていることにボーイングは業を煮やしていた。

大統領執務室から直接介入

これまで詳細が明らかになったことはなかったが、トランプ氏は、大統領執務室からの直接介入という、米国大統領として異例の行動に出た。大規模な武器売買契約の締結を個人的に後押ししたのだ。

世界各国首脳とのプライベートな電話会談や公式会談の中で、トランプ氏はどの歴代大統領よりも、米国の防衛産業を売り込むセールスマンとして活動していると専門家は指摘する。

人権活動家や軍縮派の懸念をよそに、トランプ氏個人によるこうした役割は、すでに世界の武器取引を支配する米国を、さらに大きな武器商人へと押し上げようとする大統領の決意の表れだと、米当局者は明かす。

トランプ政権は今週、米国製武器輸出の拡大と大型化を狙った、新たな「バイ・アメリカン(米国製品を買え)」イニシアチブを発表する。政府が完全に後押しすることによって、こうした取り組みは強化されることになる。戦闘機やドローンから艦船や迫撃砲に至るまで、軍事品の米輸出規制が緩和されると当局者は言う。

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