あからさまな武器商人トランプの危険な内幕 大統領執務室から異例の直接介入
業界筋が19日にも発表されると語る同イニシアチブでは、より多くの国が、より迅速な契約承認を得ることができるガイドラインを提示。何年もかかることが多い契約締結プロセスを数カ月で終えることが可能になるという。
複数の関係筋によると、トランプ政権の閣僚に対し、主要な武器契約を結ぶ「クローザー」として活動するよう要請。また、米国製武器を売り込むため、政府高官も、国際兵器見本市などにこれまで以上に派遣されるようになる。
さまざまな高性能兵器を、より広範囲の外国政府に売り込むことにより、兵器が悪人の手に渡ったり、中東や南アジアのような地域の暴力を刺激したりするリスクが高まる恐れがあると、人権活動家や軍縮派は警鐘を鳴らす。
トランプ政権は、同イニシアチブの主な目的について、勢いを増すロシアや中国の武器メーカーに対抗するため自国の防衛企業を後押しし、国内雇用をさらに創出すべく、武器売却による経済的恩恵にこれまで以上に重点を置くことだと強調している。
この新たなイニシアチブは、ある特定の武器契約において、時に効果的な「拒否権」として発動される人権保護規制を軽減する意図があると、トランプ大統領の側近の1人は匿名で語った。
「この政策は、国家的、経済的な安全保障上の利益に寄与する武器移転について、米国政府の全資源を動員してバックアップすることを目指している」と、あるホワイトハウス当局者は説明する。
「武器移転には重大な人権的影響を伴う可能性について、われわれは自覚している。この政策によって、現行の法的要件や規制上の要件が変更されることはない」とこの当局者は語った。
同政策の主な立案者の1人は、対中強硬派のナバロ通商製造政策局長だ。武器輸出を強化するという同氏の主張に異議を唱える人は、ホワイトハウス内でほとんどいないと、複数の当局者は話した。
「政府一丸」となって後押し
このイニシアチブは何カ月もかけて準備され、内容の一部はすでに報道されている。だが発表が近づく中、10人以上の業界筋や現旧米当局者に対するロイターの取材によって、最も完全な全体像が浮かび上がってきた。ただし、直前での変更は今なおあり得るとしている。
この政策は、海外向けの武器売却により、さらに数十億ドル獲得するために、大統領や閣僚から大使館付き武官や外交官に至るまで「政府一丸」となって後押しすることを求めるものだと米当局者は話す。