人生を充実させるのに大きな変化はいらない スタンフォード流最高の人生設計術とは?
ライフデザインでは、人生で絶対に解決できない問題を「重力問題」と呼んでいて、これは「受け入れるしかない」としている。講座を受けていない学生は、こうした問題に対する悩みが、卒業が近づくにつれて膨らんでいくのに対して、受講している学生はこうした問題に対する不安が縮まっていく。さらに、アイデアを出す力や思考力が強化されることもわかった。
もう1つ興味深いのは、受講生では、心理学で言うところの「自己効力感」つまり、自分の人生は自分で変えられる、あるいは、自分の人生を舵取りできるという自信が圧倒的に高かった。これらすべては、統計でちゃんと示された研究結果だ。
人生はいつでも見直すことができる
――著書では「定期的に、今やっている仕事が本当に好きなのか、自分の人生に満足しているのか見直すべきだと」と書いています。どのくらい頻繁に点検すべきでしょう?
それぞれの状況によるけれど、大事なのは、人生はいつでも見直せるし、やり直せるということだ。社会に出てから大学院に戻ってくる学生の中には、5年エンジニアをやっていたけれども、デザイナーのようなもっとクリエイティブな仕事がしたいという人もいる。最高齢は60歳だ。彼は現在、自分でデザイン事務所をやっている。
少しでも変えたいことがある、あるいは、見直したほうがいいと感じていることがあるのならば、自分の人生におけるコンパスに従って、「より人生を充実させるには何が必要か」を考えてみるといいかもしれない。
ライフデザインでは、「健康/仕事/遊び/愛のダッシュボード」と呼ぶ、自分の「現在地」を知る方法を取り入れていて、それぞれの項目において自分のエネルギーがゼロから満タンまでのどの位置にあるのかを見極める。たとえば、私の場合、遊びに費やすエネルギーがものすごく低くて、仕事はやりすぎになっていたことがある。
そこで、私は妻と一緒にダンスレッスンに通うようにした。週に1回だけれども、2人でタンゴを習っているんだ。妻の足を踏んでしまうほどひどいダンサーだが、本当に楽しくて自分の人生に遊びの要素が戻ってきた。大事なのは、こういう小さな変化で、人生を変えるような大きな変化ではない。
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