DMMがヤンキー支援ベンチャーに惚れたワケ 非大卒の就職を仲介するハッシャダイを買収
――インターンに来る非大卒人材の特徴とは?
久世:大学生の新卒とはけっこう感覚が違う。昨年、DMMのスペースをお借りして“第0(ゼロ)新卒”の合同説明会を行ったのだが、質問タイムで参加者300人、ほぼ全員が手を挙げた。イスの上に乗って手を挙げる人もいて(笑)、登壇企業の方が「こんな説明会は初めて」とびっくりしていた。
就職先選びの基準も独特。先の合同説明会には名の知れた上場企業から社員5人のベンチャーまで20社くらいが参加していたが、大企業のブースが閑散とする一方、ベンチャーのブースは大盛況だった。
中卒高卒の子たちは、企業の知名度や規模に対する期待値が高くない。周りがここに行くから行く、ではなくて、楽しそうだから行く、みたいな動機が強い。
企業側は非大卒の人材に、体力がありそう、へこたれない人材が多そうといった印象を持っているようだ。CSR(企業の社会的責任)のマインドで、「うちでもハッシャダイから採用したい」「すぐに採用はできないけど、何か協力したい」と声を掛けてくださるケースが増えている。
高卒には「職業選択の自由」もないのか
――今年2月には総務省の情報通信審議会に橋本COOが出席した。
久世:IoT、ICT時代の人材活用を考える会で、若者のリアルについて話す機会をもらった。高齢者や女性は今まできちんと換算できていなかった労働力という前提があるので、こういう場でスポットが当たりやすい。でも若者は、既存のパラダイムの中で一応は労働力としてカウントできており、課題として明確に認識されにくい現状がある。
戦後の集団就職があった時代は、まだ大卒者が少なく、高卒でも労働力として重宝された。でも今は大学への進学率が50%を超え、高卒人材の価値が薄くなった。一方で非大卒の就活の仕組み自体は集団就職の名残を引きずっていて、すべてハローワーク頼み。事実上、今でも民営化はされていない。僕自身も高卒で就職先を探そうと思ったときに、パチンコ屋、引っ越し屋、青森のリンゴ農園くらいしか選択肢がなくて。職業選択の自由もないのか、と感じたのを覚えている。
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