大谷翔平が今も大切にする、父の「3つの教え」

小学2年生で野球を始め、父が監督兼コーチに

《家族を養っていかなければいけない。子どもを育てなければいけない》

そのためにも、「わが家」という明確な自分たちの持ち家を築きたい。リビングにキッチン、寝室も必要だし、子どもたちが成長すればそれぞれが部屋を欲しくなる。そんな広さの一戸建てを購入しようと思えば、都会ではかなりの大金が動く。正直なところ、神奈川県のような大都市に住み続ければ、それ相応の一戸建てを手に入れるのは容易なことではない。でも、田舎へ引っ越せば……。その思いが先に立ち、徹さんは自身の人生というよりも、大谷家の将来を考えて岩手に引っ越す覚悟を決めた。そして、岩手に戻ったのにはこんな理由もあった。

「子どもに野球をやらせるんだったら、田舎の環境のほうがいいと思っていました」

田舎で生まれ育った徹さんは、自身の経験も踏まえてそう思った。

「野球ノート」に記された3つの教え

小学校時代は監督を、水沢南中時代に所属した一関市にあるシニアリーグのチームではコーチを務めた徹さんは、翔平にとって指導者でもあった。

「父親は中学まではずっとコーチや監督だったので、グラウンドで接していることのほうが多かったですね。ただ、監督やコーチはチーム全体を見ないといけないですし、息子だからといって特別扱いするわけにもいかない。だから僕も父親という観点ではあまり見ていなかったですね」

3戦連続ホームランで全米を驚かせた大谷(写真:ロイター/Kelley L Cox-USA TODAY Sports)

親子の間柄でありながら指導者と選手の立場だった当時のことを、翔平はさらにこう語るのだ。

「僕が監督だったとしてもそうだと思いますが、同じぐらいの子が自分の息子と同じ実力だったら、息子ではない違う子を試合で使わないといけないと思うんです。それは当たり前のことというか。だから、息子である自分が試合に出るためには圧倒的な実力がなければいけない。チームのみんなに納得してもらえる実力がなければいけない。まだ小さかったですけど、それは僕にもわかりました。だから、ちゃんとやらなきゃいけないという思いはずっと持ち続けていました」

仲間の選手よりも何倍も、何十倍も練習した。

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