ダルビッシュはかっこよく"ヨコ展開"できる アシックス尾山社長が語る「世界3位」への戦略
――ロンドン五輪では、レスリングや陸上競技といった日本チーム向けに公式ウエアなどを提供していた。今度のリオ五輪はどのような状況か。
ロンドンで提供したところは、リオでも他社に取られないようにしたい。以前、アディダスと契約を結んでいたフランス陸上競技連盟については、公式サプライヤー契約を取ることができた。
海外は手堅いビジネス
――世界のスポーツ用品業界では、直近決算期の売り上げ規模でナイキが2兆4000億円、アディダス1兆9300億円、プーマ4200億円で、アシックスはそれに次ぐ2600億円。世界3強入りを狙っているが、どのように規模を拡大していくのか。
野球についていえば、日本国内のビジネスにほぼ限られている。かつては利益を上げていたが、今は利益を生んでいない。損益だけ考えたら「やめたらどうか」という判断になるが、日本発のメーカーとしてそれはできない。ただ、赤字では困るので、毎年チェックをしながらやっていく。
一方、グローバルな商品群にはランニングがあり、バレーボールやレスリングも含めて、全世界的に非常に手堅いビジネスになっている。近年はテニスに力を入れているし、イギリスが旧宗主国だったカナダ、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、それにイギリス本国では、クリケットやラグビーなども強化している。
ナイキ、アディダスはサッカーで巨大な市場を作っている。米国市場で両社はバスケットボールでも巨大な市場を握っている。米国については、アシックスはランニングでは食い込むことができたが、バスケットでは入り込めていない。ただ野球よりバスケットのほうが入り込める余地がありそうだ。
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